生声(4) |
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1999年末〜2000年新春のお話。 |
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ポストペットのCFは(かなり)恥ずかしかったらしい ◇◇ 1999年は、いろいろと活躍された1年でしたね。 中丸 「よく出たねえ、本当に。」 ◇◇ じゃあ、まず例のCM(「ポストペット2000〜くまとおじさん〜」)についてうかがいましょうか(笑)。 中丸 「いや、あれは(笑)。キャスティングの担当者がたまたま知り合いの知り合いで、女性なんだけど、その人から頼まれた。ああいうのには出るもんじゃないよ、本当に。」 ◇◇ でも私の周りでは評判が凄かったですよ、色んな意味で。 中丸 「評判って、どんな評判なんだ?」 ◇◇ 「誰だあれは?」から「なんで出てるんだ?」まで(笑)。 中丸 「(笑)とにかくあの後、クライアントから契約が終った後で好評だからまた放送したいと言ってきたんだけど、『申し訳ないんですがギャラ半分で使わせて下さい』ってね、だから、もうどうでもいいですからどうぞ、って言ったんだ(笑)。」 ◇◇ 好評!(爆笑) 中丸 「似たような話があの後2本も来たから断わったよ(笑)。」 ◇◇ 2本も!(大爆笑) 中丸 「1本は松本幸四郎さんと一緒の話だったけど、ギャラを聞いて向こうから断わって来た。」 ◇◇ 物を知らないスポンサーってのは怖いなあ(笑)。 【追記】 松本幸四郎さんと出るはずだったCFは「三井不動産」と思われます。
今のテレビドラマは馴染まないらしい ◇◇ テレビドラマも今年はレギュラー2本ですね。まずは「ラビリンス」について。 中丸 「あれはねえ、出てるだけだから(苦笑)。あの後すぐまた病院もののドラマ『女医』だろう?作るほうが何を意図してるのかさっぱり分からないんだ。」 ◇◇ ドラマの作り手の意識の問題ですか? 中丸 「今のテレビはね、とにかくお客さんに物を考えさせないんだよ、考えさせちゃいけないんだね。だからとにかくよく喋るんだ、なんでも口で説明するんだね。昔の映画はね、お客さんに想像させたり、考えさせたりしたいから、あんまり喋らなかった。」 ◇◇ 「最後の1ロールに台詞の少ない映画が良い映画の条件」と、かの黒澤監督もおっしゃってましたね。 中丸 「ホームドラマが特にひどい。喋りっぱなしだろう?台詞を。役者が芝居しないんだよ、動いちゃいけないんだ、それで台詞がやたらと長いんだよ。」 ◇◇ シナリオライターがもてはやされてますよね。「長台詞をこなすのが偉い!」みたいな風潮もありますし、、。 中丸 「役者が軽くなってるんだよ。作るほうが見るほうを馬鹿にしてるのか、見るほうが馬鹿になってるのか、両方なのかもしれないな。」
森繁久彌さんはかなりお歳らしい(当たり前だって!) ◇◇ 久々のNHK「怒る男わらう女」について。 中丸 「とにかく看板役者がゴロゴロ出て来る。あの中で一番いい役は松坂慶子なんだ。僕のほうは、学校の事(理事長役で出演)なんかさっぱり描かれないからね、これも出てるだけ。」 ◇◇ なぜ出演依頼が来たのか、これもまた意図が不明だと。 中丸 「脚本家から頼まれたんだけど、最終回の前までにしてもらったよ、出番は。」 ◇◇ 森繁さんは久しぶりなんじゃないですか?「屋根の上のヴァイオリン弾き」(初演、1967)以来では? 中丸 「うん。NHKのリハーサル室(7F)で待ってると、今、西口玄関に到着しましたって連絡が来るんだよ。普通はね、5分か7分くらいで来るんだよエレベータで。さあ天下の森繁さんが来るぞってね、だけど待ってても来ないんだ、30分かかったよ。二人に両脇を支えられてやっとなんだよ、歩けないんだよ。」 ◇◇ もうそんなに。 中丸 「歩けないし、動けないんだよ。耳もほとんど聞こえないし、台詞も覚えられないんだ。それなのに、なんであんなに喋らせようとするんだろう?なんであんなに動かすんだろう?もう無理なんだよ。いいんだよじっとしてて。だから本当にあれが最後になっちゃうかもしれない。」 ◇◇ 今世紀最後の共演というのはあながち嘘じゃないと? 中丸 「NHKが特集番組作り始めてるからな。」 ◇◇ えーっ?それってすごく失礼じゃないですか?本人が分かんないからっていくらなんでも、それは(怒)。 中丸 「どうもNHKの体質は好きになれないんだよな。」
(2002年12月10日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16