生声(7) |
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1999年末〜2000年新春のお話。 |
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日本がちょっとつまらなくなってきた、らしい ◇◇ 色々とお話しをうかがっていると、なんだか今の日本映画、テレビを含めた問題点みたいなものが見えてきますね。 中丸 「監督も俳優もたくさんいるんだよ、『呪縛』の監督なんか良さそうだし、なかなか作れないんだね、若くて良い監督もいるのに、作れないんだ、今は。アメリカに行くとちょくちょく話が持ち込まれるんだけど、面白いよ向こうは。」 ◇◇ 日本だと若い人にしか活躍の場が与えられない? 中丸 「年寄りはジジ臭い役、みすぼらしい役ってもう決めてるからね。」 ◇◇ 現実社会を反映してるのかもしれませんね。 「キイハンター」にはあまり思い入れはない、らしい ◇◇ 中丸さんは東宝を飛び出してからすぐ「さむらプロ」にいらしたんですよね? 中丸 「社長が古い映画のほうの人だったから、そのツテで日活や東映の映画にどんどん出たんだ。丹波さん(丹波哲郎)と池部さん(池部良)と僕がいた。だけどすぐに社長が亡くなったからね。」 ◇◇ 丹波さんがキーマンですよね? 中丸 「そう。『キイハンター』にもそれで出たんだよ、丹波さんが出てたから。」 ◇◇ 映画のほうもですか? 中丸 「丹波さんと鶴田(浩二)さんが仲が良かったから、それで僕も鶴田さんの映画に出た。」 ◇◇ 「キイハンター」の印象は? 中丸 「特に思い入れというのは無いね、あれも。ただ居るだけっていう役だったから。」 ◇◇ 火薬もドンパチも、、。 中丸 「嫌いだからね。」 ◇◇ 地雷原みたいなところ走らされたりしたから? 中丸 「リハーサルのときには旗が立っているんだ、爆発するところにね。何度か走って本番になると旗を全部抜いちゃうんだ。だから恐いんだよ。すごいからね。あいつら(特殊効果)は本当にいいかげんなんだよ『中丸さん、そこ(危ないから)どいてください』って言うから避けたらそっちで爆発するんだ。本当に危ないんだよ。」 ◇◇ 宮内洋さんと一緒に出られてましたよね? 中丸 「今、彼は何をしてるんだろう?」 ◇◇ 活躍されてますよ、昔のヒーローもの関連も含めて。 中丸 「彼は真面目だからねえ。」 ◇◇ 昔のテレビドラマで特に思い入れがあるのは? 中丸 「『37階の男』なんかね、若い頃はああいうふうに演ったけど、年とってからああいうのをね、演ってみたいね。みすぼらしくなくて、下品にならない、でもジジイなんだ(笑)。」 ◇◇ み、見てみたい! 21世紀?どうなる? ◇◇ さて来年2000年は? 中丸 「飛天のあと、2000年の正月早々に芝居がある。今年はもうやらない、働きすぎだよ(笑)。」 ◇◇ ところで、あと4本がんばって頂けると、出演映画が100本なんですけど。 中丸 「行けるだろう、それくらいは!うち2本くらいはアメリカ映画がいいな。」 ◇◇ うれしい!(拍手)で、これからの予定は? 中丸 「演出家がね『とにかく仕事を選ばないでテレビに出なさい』って言うんだよ。じゃないと芝居を観ている客が、中丸さんが誰だか判らないって言うんだね。それに、事務所に入っているとね、気が進まない仕事でもやらなきゃいけないんだ。じゃないと事務所が成り立たないだろう?君たちサラリーマンと同じだよ。」 ◇◇ そういうもんなんですね(絶句)。 中丸 「この芝居(小林幸子特別公演『出雲の阿国』)ではね、千利休みたいな役どころでね、阿国を助ける偉い善い人の役なんだ。」 ◇◇ うーん、時代劇でそういうの増えそうだなあ。 中丸 「うん、最後にね号泣するんだ。」 ◇◇ ひょっとして「ちゃんと泣く」っていう役どころは初めてじゃないですか? 中丸 「そうか?そうだな。それで拍手が来るから、思いっきり声出して泣く芝居をするんだけど、暗転になったとき(力を入れすぎて)フワッと来るんだ。」 ◇◇ 前に事故(暗転のときにセットの一部が壊れ、中丸さんの眉間を直撃した)があったからなあ飛天は。大きな病気されたんだし、少しは手加減したほうが、、。 中丸 「うん。演出家もね『そんなに声はらなくても号泣できますから』って言うんだけどね(笑)。」 【追記】 中丸さんの出演した映画作品の本数は「催眠」までで108本なので実は100本超えてたんですが、ノンクレジットの作品を除くと、96本くらいだったのでこういう話になりました。やっぱり映画の人ですからもっとイイ企画があれば出て欲しいですよね、ずーっとね。
2002年10月、日韓交流イベントで韓国でお芝居をしてきたそうです。70歳近くなって外出るなんて、やっぱ中丸さんって面白い、て言うか次になにするか読めない(爆)。
(2002年12月10日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-08-17