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TVドラマ解説「キイハンター」


出演したテレビドラマがどんな話で、中丸さんが何してたか?ということを書き出してみました。


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アクションドラマの理性派。

東映東京と聞いて普通の人なら(か?)ピンと来るのは「網走番外地」と「トラック野郎」と「不良番長」である。そこから想起されるものは、男性アクションにほかならず、芸術性とかそういうスノッブな人たちからは見向きもされない作品が王道であり、映画を見るかパチンコへ行くか?という選択肢の中で生きている人たちで劇場を満員(喫煙当然)にするのが常であった。

そんな危険なところへおぼっちゃん会社の東宝から、イキナリ入っても大丈夫なのか?と心配してしまうが、中丸さんは全然平気だったものと思われる。なぜなら全体的にお行儀のよろしい東宝にあって「国際秘密警察シリーズ」とか「37階の男」とかのイケてる映画、つまりキワモノすれすれの映画やらテレビに数多く出演していたから、免疫十分(なのか?)。

「キイハンター」はテレビにできないようなことを映画でやりまくった東映が、テレビでできないようなことをテレビでやったらどうなるか?を実現したアクションドラマである。初期のモノクロ時代からその派手で分かりやすい演出と、ニュー東映で「ファンキーハットの快男児」などのアクション映画で体を張って頑張ったのに会社が倒産という不幸に見まわれていた千葉真一さんのアクロバティックな活躍が大人気だったところへ、中丸さんはそういう部分とバランスが取れるようなポジションでカラー化する直前にレギュラー入りした。

もっぱら事件捜査に専念し、アクションのパートは直属の部下だった宮内洋さんをはじめとする、千葉さん&谷隼人さんらの東映東京専従チームに任せてしまうことが多かったのだが、それでも地雷原を走破させられたり、不整地を走りまわったり、格闘シーンが延々と続いたり、体を動かすシーンは結構たくさんあったが、中丸さんは基本的に火薬や射撃などの危険なシーンは苦手であるから、この人気番組で知名度はあがったかもしれないが、シンドイことをうんとさせられたという思いの方がたぶん強いことだろう。

「37階の男」とはうってかわって女性にオクテであり、それが原因でしばしば女性の容疑者にダマされて絶体絶命になったり、あっさり見逃して状況を悪化させたり、問答無用で横っ面をビンタされたりしても黙っているが、男性の被疑者には相手が民間人でも容赦なく、ボッコボコにしてしまうことがあるので、犯人から逆恨みされることも多かった。

頑固で我慢強くて真面目にもかかわらず、ルックスが高圧的なので殺人犯に間違われたりする国際警察の捜査官・小田切慎二。優秀なんだかヌケてるんだかイマイチ不明だが、大人のムードで理性による事件解決をめざす、というフレームワークはその後「Gメン’75」で結実するのだから、わりと重要なキャラクターだったのかもしれない。

©東映

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2002年12月12日

【追記】

※本文中敬称略


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file updated : 2003-05-16