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TVドラマ解説「37階の男」


出演したテレビドラマがどんな話で、中丸さんが何してたか?ということを書き出してみました。


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スーパー民間人が活躍するお色気ドラマ。

かつて東京の霞ヶ関にある霞ヶ関ビル(36階)は「東洋の摩天楼」と呼ばれ、「超高層のあけぼの」というオールスター映画までできたほどにもてはやされていたのである。その超すごいビルのさらに上をいく男、ということでビルの最上階(ペントハウス)に事務所兼住居をもつ人物が主人公である。

人気小説家でありながら趣味で探偵までやっていて、しかも女にモテモテで腕っ節も強いというスーパー民間人が、有閑マダムとラブアフェアをしながらなんとなく事件を解決してしまう。まさに高度経済成長の只中、戦後日本がまだ元気だった頃を体現するようなキャラクターだったわけだ。

それまでどちらかと言うと軍人や色悪というポジションが多かったが「太平洋奇跡の作戦キスカ」で方向修正に成功し、「日本の一番長い日」で助演クラスに踊り出た中丸さんが、宝田明の負傷欠場&原作者の強い要望で主演したのがこのドラマである。

基本的にアクションが多いのだが、それと同じボリュームで毎回、ゲストの女優とラブシーン(今見るとほほえましいモノであるが)があって、こんなの放送していいんだろうか?というくらいの、まるで東映のピンク映画ばりのお色気シーンがバンバン出てくるので、当時のよい子はもちろんPTAには推奨されるはずもないが、ブライアン・アダムスもビックリするほどの濃い顔で人気のあった高城丈二さんとのカップリングは女性の皆様にもたいそう人気があったらしい。

しかしながら好事魔多しとでも言おうか、主役2名の相性が悪かったと言うか、東宝の営業方針と言うか、この番組は年内打ち切りになったのである。おまけに、中丸さんは東宝も退社してしまったんだから、記念すべき主演作であると同時に、罪作りな番組であったとも言えよう。

後続番組に主演した高城丈二さんの愛車は、かつて「37階の男」で活躍していたマツダ・コスモスポーツだったのが見るほうとしてはかなり複雑な思いがあったのだが、浜かおるさん&佐藤友美さんというお色気ムード倍増のキャスティングへの期待空しく、1シーズンで終了。その後、主役には病気や廃業というケチまでついた。

©東宝

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2002年12月12日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-16