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白昼夢2


■公開:1987年

■制作:グローバル

■制作:

■監督:武智鉄二

■原作:

■脚本:

■撮影:杉村博章

■音楽:

■美術:

■照明:

■録音:

■編集:

■主演:愛染恭子

■寸評:アダルト映画なので良い子は観れませんよ。

ネタバレあります。


菅貫太郎が出ているという、ただそれだけで観に行って、ただそれだけを観ていました。

場違いな和服の美女・霧浪千寿が通りすがりのバイクに乗った青年・速水建二に近くに歯医者がないかと尋ねました。彼が知っていた歯医者はとても遠かったので、彼はバイクの後ろに美女を乗せてあげました。

霧浪千寿が治療台に上がると、ケバい化粧の女性歯科医師・愛染恭子が危なっかしい手つきで口の中をグリグリと責めてきました。そして「虫歯ですね、抜歯しましょう」とレントゲンも撮らずにいきなり、拉致監禁でもするかのごとく麻酔薬で口を覆って霧浪千寿に全身麻酔、っていうか抵抗できない身体にしてしまうのでした。

ようするに壮絶な夢オチだということはわかるのですが、その、なんていうかこういう観念的な映画は、よほどのファンでないかぎりは研究目的以外にどうやって楽しめばいいのかよくわかりません。そもそも、菅貫太郎が出てるという理由だけで観てしまったので、なかなか出てこないせいで目的が達成できず、はたして最後まで観ていられるんだろうか?

愛染恭子と助手2名が霧浪千寿を凌辱する絵柄が延々と続き、肝心な部位はボカシまたはフレームからはみ出た霧浪千寿のヨガり顔とか、女王様・愛染恭子のドS顔が合成されているので、ほかに見るものがありません。あ、いや、そういうのを目的に観ているぶんには楽しめるんだろうとは思いますが。

最後にドラキュラみたいなマント着用のドクトル・菅貫太郎が覆いかぶさって・・・え?マジ?ヤるの?いや、違った。

霧浪千寿が愛染恭子から「好きな男の名前をお言い」と迫られて口をついて出たのが速水建二。謎のホテルの一室に素っ裸で軟禁された霧浪千寿は窓から脱出、そのまま町を歩いて(とは言え深夜)江ノ電に乗ったところ、運転士がいないまま電車は走り続けて、途中、速水建二がバイクで追いついたところ、いきなり多くの乗客に取り囲まれて「売女」の大合唱。

速水建二ごと捕えられた霧浪千寿は縛られて吊られてしまい、もう何が何だか。それでも速水建二と霧浪千寿の愛が変わらぬものだと確認した愛染恭子は、建物に火を放つとドクトルと二人で去って行きました。起きているときに見る妄想というのがタイトルですが、男のほうは麻酔されていないのに、なんで二人そろって「火も涼しいよね」とか言って焼け死ぬかなあ・・・ま、いいか、どうせ夢だし。

ところで愛染恭子に演技がどうしたこうした言うのは間違ってるかもしれませんが、キメ台詞が微妙に訛るんで、ドヤ顔でそういうこと言われると正直、映画館の椅子からずり落ちそうになるくらいでした。

で、菅貫太郎はどこで何をしていたかというと、ホテルに突っ込んでくるトラックの運転手、江ノ電の運転士、いやもう出た瞬間に「お!出た!」ってくらいで、あのやる気のない表情を観てると、実に心が和みます。

ストーリーはあってないようなもの、出てくる人物が、片端から頭の中がソレばっか?ということになっているらしいので、本作品では何もしない菅貫太郎だけが常識的な普通の人に見えるという奇跡のような映画だったということにしておきます。 出場が少ないくせに、ハッタリを効かせまくるのも素敵です。

2012年07月22日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2012-07-22