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チエミの初恋チャッチャ娘


■公開:1956年

■制作:東宝

■制作:杉原貞雄

■監督:青柳信雄

■原作:

■脚本:北田一郎、浜村保夫

■撮影:遠藤精一

■音楽:三木鶏郎

■美術:北猛夫、阿久根巖

■照明:西川鶴三

■録音:宮崎正信

■編集:

■主演:江利チエミ

■寸評:

ネタバレあります。


「サザエさん」でも他の映画でもそうなんですが、江利チエミの暴走ぶりはヘンテコすぎて正直、怖いです。

三姉妹・杉葉子司葉子江利チエミの「小公女」っぽいドラマ。

洋裁しながら妹二人のお母さん役をしているシッカリ者の杉葉子。美貌を生かしてファッションモデルをしている司葉子、両親が亡くなって三姉妹だけのこの家の収入は姉二人が支えています。

末の妹である江利チエミはまだ学生でしたがジャズ歌手を夢見ており、同じ学校の江原達怡を恋人兼パシリとして活用しています。

司葉子の恋人・小泉博は楽器店を経営する頑固でハゲな父親・柳家金語楼、母・三條利喜江、学生をしているお調子者の弟・高島忠夫と同居しています。

ある日、デートの約束をすっぽかした小泉博の代役として司葉子に伝言を届けに行った高島忠夫は、偶然、同じベンチで別の人と待ち合わせをしていた堺左千夫を司葉子の彼氏と勘違い、同じ勘違を江利チエミもやらかしたことから、話は複雑かつドタバタな方向に発展します。

江利チエミは小遣い稼ぎにのど自慢大会へ出場、当然のように圧勝します。

有名なレコード会社のオーディションを受けることになった江利チエミは江原達怡をお供に連れて行きました。しかし、そのレコード会社の社長・花菱アチャコは、浮気相手の芸者・藤間紫の気を引くためにレコードを吹き込ませようとするドスケベ野郎でした。

藤間紫との浮気現場を目撃してしまった江利チエミでしたが、社長はヤな奴でもプロデューサ・本郷秀雄はちゃんとした人なので、この会社からレコードデビューすることを決めました。

しかし、そのレコード会社からのデビューを強硬に反対する杉葉子、実は三姉妹の出生にはある秘密が隠されていました。

小泉博が両親の強引なススメで政略結婚させられそうになったり、その見合い相手が先の堺左千夫の恋人・楠トシエだったり、放送禁止レベルで奇矯過ぎる行動を繰り返し、周囲を狼狽させる江利チエミが高島忠夫と歌いながら川辺(ていうか、砧撮影所の裏の仙川)デートしたりしているうちに、物語は勝手に進んで行きます。

司葉子から向けられた浮気疑惑を解消した小泉博は、楠木トシエとの結婚も円満解消。

江利チエミの素行調査から、偶然にも三姉妹のお父さんが花菱アチャコの実兄と判明。

一度は三姉妹とその母親を追放したお父さんの実家でしたが、それもこれもすべては先代社長が暴君だったからということでケリがつき、二代目社長であるアチャコとその妻・一の宮あつ子の取り計らいもあって三姉妹の今後の生活の面倒はアチャコが先代の罪滅ぼしも兼ねて看ることになりました。

そして、江利チエミは東京キューバンボーイズ(本物)をバックバンドに従えて、念願のメジャーデビューを果たすのでした。

人情喜劇にミュージカルをフレイバー、金語楼、森川信、アチャコ、御馴染みのプロのお笑い芸人のアチャラカも取り入れる安心度満点のコメディ映画。

ダークダックスが喫茶店のお客としてゲスト出演して歌声を披露、有島一郎が有島一郎本人の役でファッションショーの司会を担当。

途中で杉葉子がにおわせる「出生の秘密」が「江利チエミだけがもらわれっ子だった」と途中まで信じていました。だってねえ、お姉さんとスペック違いすぎです。だけど、小泉博にはっきりと「デブ」と言われてしまうところはさすがに江利チエミがかわいそうでしたけどね。

しかし、このまま高島忠夫とくっついてしまうと江原達怡の立場はどうなるのでしょうか?心配です。

2012年04月08日

【追記】まだ仕出し時代の中丸忠雄が、レコード会社の録音スタジオのワンシーンに登場します。同じシチュエーションの他の場面には登場しませんので、ここは単なる員数合わせ?という気がしないでもないですが、事情もわからず適当に芝居をあわせる器用なところが確認できます。

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2012-04-08