事件記者 時限爆弾 |
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■公開:1960年 ■制作:日活 ■企画:岩井金男 ■監督:山崎徳次郎 ■原作:島田一男 ■脚本:山口純一郎、西島大 ■撮影:萩原憲治 ■音楽:三保敬太郎 ■美術:横尾嘉良 ■照明:河野愛三 ■録音:片桐登司美 ■編集:鈴木晄 ■主演:沢本忠雄 ■寸評: ネタバレあります。 |
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事件記者シリーズ第七作。 スタジオドラマだったオリジナルのテレビ番組「事件記者」では考えらない派手な絵柄です。 粗末な造作の机の上で「どや!」って感じで時限爆弾の入ったトランクを見せびらかす謎の男、いかにもその取り扱い方は素人ですが、どうやらこれから大事件が起きそうです。 実に映画的な導入、日活らしさがシリーズ後半で爆発でしょうか。 女スリ・楠木侑子は胡散臭い男・岩下浩からシガレットケースを盗んだところ、その中に爆破予告のようなメモが入っていました。日ごろから警察には迷惑しかかけていなかった楠木侑子ですが、人情派の刑事部長・宮阪将喜の役に立ちたいとうっすら思っていたので早速、警視庁へ電話しました。 岩下浩はパシリ・須藤孝を囮にして貨物船の見張りに立っていた船員を陸の上に誘い出して、時限爆弾がセットされたトランクをセット、船は爆発してしまい船の荷物も全滅でした。 船主の社長と荷主によると、船はオンボロだったらしいのですが、積荷のほうは高額でした。単価の低い小皿がものすごい数積んであったので合計金額がハンパないというのです。 船の事故というのは証拠が残りにくいので保険金詐欺の話によく出てきますよね、かのタイタニック事故でも囁かれた話らしいです。 警視庁記者クラブのキャップ・永井智雄は保険金を受け取る社長を探るように事件記者・滝田裕介、沢本忠雄、原保美らに指示しましたが、保険金はビビたるもので焼け石に水らしく、わざと沈没させて得をする人間はいないようです。 事件記者の重鎮・大森義夫はそんなにたくさんの荷物では船倉が満杯になってしまい、時限爆弾を仕掛けるスキマができるはずがないことを指摘します。て、ことは荷物の数量が水増しされてたかもしれない。 楠木侑子に頼んでシガレットケースをエサにして犯人をおびき出す作戦に出た警視庁。日本じゃこういう囮捜査は違法じゃないんでしょうかね?ともかく、岩下浩は馬鹿じゃないので、まんまと楠木侑子は誘拐されてしまうのでした。 始末書レベルじゃないですよ、この失態。ところが事件記者たちは楠木侑子の生命第一優先でした。 しかし犯人逮捕の瞬間という美味しいネタをどうしても撮りたい事件記者も囮捜査に協力したのですから同罪ですが、本シリーズでは結果的に、人権蹂躙な取材姿勢も問題にならないところがポイントです。 実行犯たちは船主の社長に雇われており、もし逮捕されても死刑にならない約束でした。しかし、沈没した船は無人ではなく怪我して休んでいた船員もろとも沈んでしまったため、彼らは殺人犯になっていたのでした。 さあ、ここからが凄いですよ、今回は!間抜けな須藤孝は楠木侑子の番犬なんかできるはずもなく、落語の与太郎だってひっかからないような縄抜けのトラップにひっかかってしまい、楠木侑子は余裕で脱出。これで一安心、さあ、警察は手加減なしですぜ。 こういう馬鹿が一人はいてくれないと短い尺に話が収まりませんから、ある程度は目をつぶりましょう、それが大人というものです。 社長の裏切りを知った岩下浩が高飛び直前の社長に射殺されましたが、残っていた時限爆弾入りのトランクが大爆発して悪い人たちはほぼ全員、死んでしまったのでした。 水上警察の出動要請があったので、こりゃあすごいロケになるかと思いきや、出てこなかったのは予算が足りなかったからでしょうか?船のミニアチュア爆破にお金かけすぎちゃったとか。 今回の事件記者はシリーズ屈指のゴージャスな仕掛け満載でした。 (2012年04月01日 ) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2012-04-02