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黒い賭博師


■公開:1965年

■制作:日活

■企画:児井英生

■監督:中平康

■原作:野村敏雄

■脚本:小川英、中西隆三

■撮影:山崎善弘

■音楽:伊部晴美

■美術:大鶴泰弘

■照明:高島正博

■録音:古山恒夫

■編集:辻井正則

■主演:小林旭

■寸評:主題歌が「自動車ショー歌」の替え歌。

ネタバレあります。


賭博で身を立てている小林旭は、左手でカードを操ると無敵になる凄腕です。

本日は、博打大好きな某国の大使・アパナイ・A のご招待で、情婦・冨士眞奈美と組んで荒稼ぎをしていた同じく賭博師の小池朝雄とセブンブリッジ大勝負の末に勝利しました。小池朝雄を雇っていた、商事会社の社長・玉川伊佐男は大損したのでカンカンです。

小池朝雄は冨士眞奈美に命じて、アキラを誘惑し、必勝の秘密を盗んでくるように命じるのでした。小池朝雄にはもう一つ狙いがありました。日本一のギャンブラーになりたい!夢の達成にはライバルのアキラがジャマなので一度、ケリをつけておきたいところでした。

あー、そりゃ上手く行くわけ無いわ、アキラのところへ女を放り込むなんて、痴漢の前でパンツ見せるようなもんだわ、ていうか、冨士眞奈美なんかどうせイチコロだもの、アキラに。

冨士眞奈美が偶然を装ってホテルでアキラを誘惑していると、そこへ外人女・シェーリー・ヘレンが駆け込んできました。ヘレン嬢は中国人のギャンブラー・高橋昌也にカモられて有り金巻き上げられたらしいです。アキラが勝負を挑むと、なんとポーカーで大敗してしまいました。

自信喪失のアキラ。彼がねぐらにしているのはバーのママ・横山道代のアパート。ついでにヘレン嬢も匿うことになったので、アキラに惚れている横山道代はプンプンです。そうです、賭博してないときは、手下の野呂圭介とかに競馬のノミ屋をやらせていたりする、意外とセコいアキラなのです。

国際賭博団が日本へやって来るそうです。このままでは日本の賭博市場は彼らに荒らされてしまい、アキラや小池朝雄はご飯が食べられなくなります。

冨士眞奈美の父親・益田喜頓はかつては貴族でしたが博打で身を持ち崩して、小池朝雄との勝負にボロ負けした借金のカタに冨士眞奈美を差し出していたのでした。冨士眞奈美はヤケクソになって船員たちの丁半博打にチャレンジしましたが、やはりボンクラの血筋でしょうか、ここでも負けてしまうのでした。

「金の替わりに一枚ずつ洋服を脱げ」と言われた冨士眞奈美がストッキングをはいたままパンティーを脱ぐのですが、船員たちは下着に全然興奮せずに「上から脱がない」ことに文句を言うのでした。冨士眞奈美の臭い付なんて全然興味無しでしょうか?それはそれで失礼な気がしますがいかがでしょうか?

いや、っていうか、冨士眞奈美はストッキングの上からパンティーはいてたんでしょうか?モソモソしてキモチ悪いですが・・・演出上仕方なしだったとは言え、女性の下着の構造上は如何なものか?(いや、そんなたいそうな)

さて、国際賭博団の手先だった高橋昌也のイカサマの秘密を探りに行ったアキラの子分・榎木兵衛が殺されてしまいます。小池朝雄は、冨士眞奈美がアキラに惚れてしまい役に立たなくなったので、横山道代を誘拐し、アキラの左手を負傷させます。

いよいよ国際賭博団のご一行様とボスが来日します。ボスはユダヤ人で、なんでも「ユダヤ人のくせに、ナチスドイツに協力して、軍事費を賭博で稼いでいた」トンデモナイ人物らしいです。

国際賭博団はあらゆるインチキを使って日本人から金を巻き上げます。非合法な賭博大会を主催した玉川伊佐男は大損です。小池朝雄もシンプルな仕掛けで手札を読まれてしまい、ポーカーで大敗します。

そこへ颯爽とアキラが登場、インチキルーレットも、覗き見作戦も、全部粉砕します。賭博団が凶暴な正体を現わしたので、警視庁の刑事さん・谷村昌彦が乱入しますが、多勢に無勢です。アキラたちは賭博会場の屋根の上に逃げます。花火で追っ手を撃退中に、小池朝雄が誤って転落死。おまけに賭博団はこれまたインチキな偽の警察に引き渡されて、まんまと逃げてしまうのでした。

小池朝雄のハイテンションで胡散臭いライバル賭博師がステキです。益田喜頓から巻き上げた冨士眞奈美 を、最期の勝負を譲って親元に帰してあげるのでした。しかし、死に様が間抜けなのでちょっと可哀想でした。

さて、アキラです。相変わらず身体を張ったスピーディーなアクションですが、今回も御馴染みの、足を踏み外してあわや転落?の高等技術を披露します。また、高橋昌也の手先になった深江章喜が、アキラめがけて、ベッド飛び越しのライダーキックを披露します。一瞬なのでお見逃しなきよう。

日活ではチンピラから渋い悪役まで幅広く活躍する柳瀬志郎、本作品では好戦的なエイ(魚のエイ)を闘わせるギャンブルを、インチキくさい日本語な英語で仕切ります。珍しくお笑いパートでした。

2011年09月25日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2011-10-02