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温泉こんにゃく芸者


■公開:1970年

■制作:東映

■企画:岡田茂、天尾完次

■監督:中島貞夫

■原作:

■脚本:掛札昌裕、金子武郎

■撮影:鈴木重平

■音楽:広瀬健次郎

■美術:石原昭

■照明:金子凱美

■録音:溝口正義

■編集:神田忠男

■主演:女屋実和子(新人)

■寸評:

ネタバレあります。


こんにゃく、それは美味しい食べ物。こんにゃく、それはイケてない女日照り野郎の救世主(らしい)。

本作品のポスターに登場する「こんにゃく風呂」(女屋実和子が入浴中)は湯船をこんにゃくで満たし、そこへハダカの女がサブンと浸かるものだと思っていた貴兄、残念でしたね。

不能のこんにゃく職人・殿山泰司の養女、珠江・女屋実和子はコンドーム工場(社長は大泉滉、ロクな会社じゃねえな)が倒産し、退職金代わりに現品支給されたコンドームを売りさばいたお金を父親に渡して、家を出ます。

温泉地へやって来た女屋実和子は、早速、ヌードスタジオを個人経営している荒木一郎にバージンを喰われてしまうのでした。

え?バージンだったの?という観客の疑問はさておき。

こんにゃくで大人の玩具を開発して男性機能を喪失した仲間達の救世主になろうという父親の壮大な夢をかなえるために、温泉芸者としてやり手ババア・武智豊子に採用された女屋実和子は、早速、色ボケ坊主・田中小実昌と一発ヤッて旦那になってもらうのでした。しかし、田中小実昌は先輩芸者の色だったのでひと悶着ありましたが、先輩芸者は仲間の芸者からの借金を踏み倒して高飛びしてしまいました。

娘が一山当てたらしいとかぎつけた殿山泰司が温泉地へやって来て女屋実和子のもとへ転がり込みます。せっかく彼女が身体を張って仕送りしていたお金を家賃や食費に回して地道に使うセンスはこの不能のオヤジはありませんでした。殿山泰司が心血を注いで開発しているのは「張型」いわゆるコケシです。それをこんにゃくで作ろうというのです。

く、くだらねえ・・・しかし殿山泰司は燃えています。

芸者たちのヒモをしている男・小池朝雄が、ドスケベな実業家・上田吉二郎に女屋実和子を紹介したところ、彼女は身請けされることになりました。当然ですた殿山泰司も大賛成です。女屋実和子の意志はとりあえず、オヤジは研究資金を得るために必死です。

それに、役場の石橋蓮司と、上田吉二郎の部下でしたが実は小池朝雄とは戦友だった常田富士男の金と女屋実和子の身体に眼が眩んだバカ男どものサポートにより、殿山泰司は上田吉二郎が女屋実和子のためにプレゼントした屋敷の一角に風呂場の床をこんにゃくで敷き詰めた念願の「こんにゃく風呂」を完成させて、上田吉二郎と女屋実和子にプレゼントしましたが、上田吉二郎が足を滑らせて昏倒してしまいます。

上田吉二郎の正妻・菅井きんは、十数人の子供たちと一緒に亭主の枕辺に駆けつけて最後を看取ります。内縁関係なので女屋実和子はお屋敷から追い出されてしまうのでした。

その頃、殿山泰司はジャンボなお色気をふりまく三島ゆり子によって、男性機能を回復し、これからは地道にこんにゃく屋を開業して暮らしていきたい、三島ゆり子との結婚資金と開店資金を女屋実和子にオネダリするのでした。

なんちゅうバカなオヤジだこと、まあ。

しかし天使のように優しい、というか、喜怒哀楽がけだるい芝居でほとんど読み取れない女屋実和子は、自分をスカウトしに来てライバルの千葉敏夫に金額で圧勝した男・小松方正にセックス三番勝負を挑み、どっちが先にイクか?でスカウト代を賭けることにしました。

「こんにゃく風呂」完成のために奔走する荒木一郎、殿山泰司、小池朝雄、ここまで突き抜けているとある意味、神々しさを感じる次第です。

セックス三番勝負ですが、一本めは女屋実和子、二本めは小松方正、三本めは殿山泰司のこんにゃくエキスで女屋実和子の勝利となりました。

殿山泰司と三島ゆり子の幸せを願って、女屋実和子は契約金を残して町をカッコよく去っていくのでありました。

若いうちの苦労は買ってでもしろと申しますが、バージンを荒木一郎に、その後、田中小実昌、上田吉二郎、小松方正というのはいくらなんでも酷すぎると思いますが、いかがでしょう?

ちなみに、芸者の片山由美子たちに献身的に使えるヒモの神様を演じた小池朝雄は、途中でヤクザに股間を蹴り上げられて、殿山泰司と同様に不能になってしまいますが、彼と常田富士男が昔を懐かしんで歌いまくるのは軍歌の「轟沈」です。

小池朝雄は以前、中島貞夫監督の「あゝ同期の桜」では海軍の将校でしたので、その成れの果てかと思いきや、本作品の中では「陸軍少尉」と名乗ります、ここだけは謎のままです。真実やいかに?知りたくもないですけどね。

2011年09月08日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2011-09-19