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処女のはらわた


■公開:1986年

■制作:にっかつ

■制作:佐藤祀夫、半沢浩

■監督:ガイラ(=小水一男)

■原作:

■脚本:ガイラ

■撮影:

■音楽:

■美術:

■照明:

■録音:

■編集:

■主演:郷田和彦

■寸評:


ポルノ映画ってようするにセックスですから、それ以外のところはどうやってセックスへ持ち込むか?というアイデア勝負です。

「13日の金曜日」と「死霊のはらわた」を取り入れてみよう!無軌道な若者たちが得体の知れない邪悪な殺人鬼に、廃屋で次々と惨殺されるんだ!刺したり、突いたり、切断したり!もちろん、ハラワタってくらいだから内蔵も出しちゃえ!出しちゃえ!という結果、日本初?のジャパニーズスプラッタ・ホラー・ポルノになりましたとさ。

男性グラビア雑誌の撮影隊が、人里はなれた山の中であられもない撮影を行なっておりました。カメラマンは「先生」(と、呼ばれる人間はロクなもんじゃない)こと加藤大樹、助手・高橋秀樹、スタイリスト・萩尾なおみ、スタイリスト助手・木築沙絵子、そしてモデル・川島めぐみ、それと広告代理店の馬鹿・鶴岡修

以上が本作品の犠牲者の皆様です。

加藤大樹はモデルはもちろん、スタイリストやその助手にいたるまで近づいてくる婦女子の上昇志向に付け込んで手当たり次第にモノにしています。そんな羨ましい漁場を先生に独り占めさせておくわけには行きません。業界のヒエラルキーに従い、先生様といえども広告代理店の馬鹿のほうが権力がありますから、加藤大樹は自らの生活のためにも、おすそ分けをしています。

広告代理店の馬鹿は、現場では役立たずなくせに、妙に偉そうで、手持ち無沙汰なのでアシスタントの女の子を口説いたり、人生について語ったりしています。

撮影も終了、ロケ車(バン)ではささやかな打ち上げも挙行されつつ、一行は帰路に着きましたが途中で濃霧にまかれてしまいます。そして車体に何か強い衝撃が加わります。助手の高橋秀樹は人を轢いたのではないか?と疑い、車の外を探しますがソレらしきモノはありません。

ったくこの、助手の高橋秀樹は運転免許も持ってないので加藤大樹からは馬鹿にされていますが、妙なところで正義感を出すタイプ。加藤大樹としては、目撃者もいないことだし上手く行けばバックレられるんじゃないか?ということで、助手の捜索を強引に打ち切ります。

いよいよ霧が深くなってきたので一行はあきらかに道に迷いますが、ふと気がつくと改装中のペンションのところへ来ていました。かろうじて電気は来ているようですからとりあえず、明日、誰かが来るまで鍵も開いてることだし、無断で一泊させてもらうことにしたのでした。当然、酒盛りもスタートです。

先生はモデルの川島めぐみを代理店の馬鹿である鶴岡修に提供します。川島めぐみも抵抗するかと思いきや、業界で誰に股を開けばいいのか、すぐにわかりました。子供みたいな顔してますが身体は立派な大人だし、可愛い表情に似合わない野心も満々。二人は別の部屋へ移動しました。

高橋大樹はまだウブな木築沙絵子を口説きます。かつて先生の性具だった年増の萩尾なおみはこともあろうに先生の命令により助手の高橋秀樹とお座敷プロレスをさせられます。パイルドライバーを食らった萩尾なおみは失禁した上に失神してしまいます。業界の爛れた内幕に嫌気がさした高橋秀樹はペンションを飛び出すと、先生の車のところへ行き、みんなを困らせてやろうとキーを引っこ抜いて捨ててしまいます。

そこへ突然、全身泥まみれの死霊・郷田和彦が現れ、高橋秀樹の脳天を鈍器でクリーンヒット。目玉が飛び出た高橋秀樹は無残な最期を遂げるのでした。

お!やっとこさ、ただのエロ映画からスプラッターホラーっぽくなってきましたよ!ま、それでも8割以上はセックスシーンですけどね。

代理店の馬鹿とセックスしていた川島めぐみは鶴岡修の変態プレイがイヤで外へ逃げますが、後を追った鶴岡修に、死霊が投げた槍のような鉄杭が突き刺さります。そして、死霊の影におびえていた川島めぐみの前に今度はこん棒が突きつけられます。こん棒って、つまり死霊のアソコですが、そんなんで身体突き刺されたらガバガバになっちゃうかもしれません。

悶絶した川島めぐみが恐怖に引きつってベランダから下を覗いているとそこへ、壊れた電飾看板の破片が垂直落下、彼女の首はバッサリと切り落とされてしまうのでした。

えっと、これは事故ですね。

さて、加藤大樹と木築沙絵子のセックスを目の当たりにした萩尾なおみは発狂。川島めぐみの生首をぶらぶらさせて二人に迫ります。加藤大樹は逃げ出しますが、死霊に追いつめられてしまい頚動脈の辺りを鉤で突き刺されてぶら下げられてしまいます。当然、彼は絶命です。

萩尾なおみはペンションの風呂場でオナニー乱舞。彼女をかわいそうだと思ったらしい死霊が、加藤大樹の腕をちょん切って、レアな大人の玩具にしてプレゼント。死んだ元彼の手指で自慰行為の後、死霊のこん棒を受け入れた萩尾なおみはなおも発情していました。死霊は、気の毒な彼女のアソコへ手を突っ込んで、内臓を引っ張り出して上げました。萩尾なおみは、絶頂のまま息を引き取るという幸運な最期を遂げるのでした。

一人生き残った木築沙絵子も死霊に犯されますが、彼女がこの連続殺人の理由を尋ねたところ「嫌いだから!」と即答する死霊。なるほど、殺された連中は、確かに嫌われてもしようが無い気がします。

すべてが終わって、爽やかな朝、波が打ち寄せる海岸で、木築沙絵子は妊娠した大きなお腹を撫でながら「次はどんな子が出てくるのかしら?」

おお!流行りもののホラーだけでなく、ラストは「ローズマリーの赤ちゃん」で〆てきましたか!さらに、ラストカットは観客に勝利のポーズを披露する不気味な胎児、「2001年宇宙の旅」まで取り入れてくるなんて!エロ映画、SF映画、ホラー映画のファンのハートをわしつかみですね!大ヒット間違いナシだぜ!

・・・な、わけもなく。セックスときどきホラーという捨て身のアイデアを映像化した現場の気合は買いましょう。とってつけたような惨殺シーンと比較して圧倒的に主題はこっちだ!と言わんばかりのセックスシーン、ああ、やっぱりホラー映画じゃなくてポルノ映画だったんだね。立ち位置だけはブレませんね。

2011年06月05日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2011-06-05