性生活の知恵第2部 |
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■公開:1961 ■制作:大映 ■企画:川崎治雄、竹谷豊一郎 ■監督:阿部毅 ■原作:謝国権 ■脚本:桜井康裕 ■撮影:宗川信夫 ■音楽:大沢保郎 ■美術:井上章 ■照明:田熊源太郎 ■録音:三橋真 ■編集: ■主演:早川雄三 ■寸評: ネタバレあります。 |
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四十八手とかYES/NOマクラの使い方とかそういう具体的な話は出てきません。 一つ屋根の下に暮らしている血族だからと言って家族の絆が深まるかといえばそうはいかないのが世の中の現実です。 脱サラした長男夫婦・早川雄三、市田ひろみ、非正規雇用の父・南方伸夫と専業主婦の母・耕田久鯉子、コブつきで実家へ戻り中の長女・目黒幸子、共稼ぎの新婚次男夫婦・山中雄司、三浦友子、ニートの学生である三男・大庭健次朗。 全員がそろいもそろって「わたしがいちばん」な人々が集まっている家族の物語です。 この家には金がありません、稼ぎのいいリソースもありません。 早川雄三と市田ひろみはマーケットで日本茶販売店をしていますが、商売はボチボチらしく、実家を倉庫として、おそらくは家族を無給なのに従業員扱いしてプチ脱税をしているようです。 父と母はこの家のオーナーだし、一番広いお部屋を使用中ですが、父親は会社をクビになったらしく現在は警備員のアルバイト中で収入的には一家の長とは言えません。 目黒幸子は娘と一緒に狭い部屋に居候中、無収入なので家賃は払っていません、生活費も払っていませんがご飯は食べています。 山中雄司と三浦友子は職場結婚ですが、二人とも出世なんかしてないのでアパートすら借りられず二階に同居予定です。 はじき出された大庭健次朗はしかたなく布団部屋へ疎開。 これが「ビフォー・アフター」(そもそもそんな家に住んでることが仰天するほどのビックリハウスが建築デザイナーの手によって快適な住宅へリフォームされる過程をドラマチックに追ったテレビ番組)ならさぞやステキなお家に変身するはずですが、この家にも家族にも金がありません。 実経済の貧乏は精神の貧困を誘発するものです。 市田ひろみは三浦友子に計画性が無いと陰口をたたき、目黒幸子は肩身が狭いうえに夫・村上不二夫と復縁の話が進まないのでイライラしており、大庭謙次朗はイイトコのお嬢さん・山中和子を妊娠させて自殺未遂に追い込みます。 性生活がどうのこうの言う前に、経済的な問題を解決しないといけないのではないか?と思います。が、しかし!性生活の改善こそが、経済的な問題や家族の不和を解決する方策だというのが本作品の主張です。 三浦友子と山中雄司が新婚旅行先から日程繰上で帰ってきた理由は夫が「君のセックスは上手いね」と発言したからなのでした。妻はてっきり相対評価されているのだと思い込んでプンプン!誰と比較して上手いのよ!失礼しちゃうわ!きぃぃっ! しかし、夫の評価基準は名著「性生活の知恵」だと判明、それはつまり絶対評価なのね!まあ、なんてステキな本なのかしら!と感激した三浦友子はあっという間に山中雄司との夫婦仲を改善、おまけに堕胎するかどうかまで悩んだ妊娠も丸くおさまって出産できることになりました。 金が無いだの、セックスについてコメントするなんて失礼だの、なんだの言ってたくせにあの、プライバシーの欠片も無いような狭い家でヤルことはヤッていたということですね、この若夫婦は。 さて、二人きりになりたい早川雄三と市田ひろみは実家を出て店舗の二階へお引越し。ここなら好きなだけセックスできるね!お客さんが来てもそっちのけで毎日、幸せな性生活を送れそうです。 目黒幸子も名著「性生活の知恵」を一読するや否や、優柔不断な夫の村上不二夫をたちまちに許して、夫婦円満=ステキな性生活が何よりも大切だと気がついて?イキナリの満面の笑顔!別にこの本読んだからって村上不二夫の浮気グセが改善するとは思えませんが。それとも、私のセックスで彼を虜にしてやるわ!ってことですかね、なんか凄いな。 大庭謙次朗も一度は別れを切り出した恋人との真実の愛に目覚めたのは名著「性生活の知恵」のおかげなのです。たぶん、きっと、そう。 高齢者の仲間入りしている父と母も名著「性生活の知恵」のおかげで、たまには夫婦らしい関係ももとうじゃないか?どうだい母さん、一発やるか? いや、そんな具体的で下品な会話はありませんが、ようするにそういうことだと思われます。つまり名著「性生活の知恵」を読むと夫婦円満、家庭円満、商売繁盛、家族の絆もぐっと深まるというのです、ぜひ皆様もお読みください! まあ、強引な気もしますが間違ってはいないし、少子高齢化の平成の日本では必要な知恵だと思うので、素敵な映画だということにしておきます。 ちなみに軽妙なナレーションは松村達雄でした。 (2011年10月30日 ) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2011-10-30