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七つの顔の女


■公開: 1969年

■製作:松竹

■製作:樋口清

■監督:前田陽一

■脚本:宮川一郎

■原案:

■撮影:竹村博

■音楽:服部克久

■編集:大沢しづ

■美術:芳野尹孝

■録音:平松時夫

■照明:中川孝一

■主演:岩下志麻

■寸評:

ネタバレあります。


お志麻さんの華麗なる七変化、っていうかコスプレ。

某刑務所から有名な錠前屋・有島一郎と呼ばれる囚人が、所長・三井弘次の目の前からヘリコで堂々と脱走。彼の仲間は、学者・緒形拳、印刷屋・西村晃、坊や・左とん平、そして現在、美貌と才能を武器に大手繊維商社の専属デザイナー(1)として活躍しているお嬢さん・岩下志麻。彼らの正体はズバリ、泥棒なのであった。

うーん、いいなあ、無理がありすぎて、( )の数字はコスプレの種別数。

お志麻さんは、ステキなファッションに身を包んで登場するが、ターゲットの自社ビルを探るため、靴磨き(2)に変装して金庫に大金が搬入される日時を聞き出すことに成功。今度は有島一郎がインチキ按摩に化けて金庫の所在を確認。これを見ていた重役の美貌秘書・有川由紀だったが、なかなか尻尾をつかめない。

緒形拳の計画により、消防署の署員に化けて仲間達がニセの避難訓練を決行、お嬢さんは一日消防署長(3)に変装し、一連の指揮を担当。計画は、ホンモノの札と、偽札を交換するということになっていたのだが、アホでトンマな左とん平が、一度は交換に成功した偽札を全部元に戻してしまうという大ドジをぶっこいたため計画は水の泡。

危険を感じた重役たちは大金を会社所有の別荘に作ったスゴイ金庫へ移してしまう。お志麻さんは看護婦(4)に変装してこの事実を掴む。彼女にメロメロな重役は、ファッションモデルの杉本エマともラブアフェア中だった。そもそも大金というのは、お志麻さんとエマの「お店の開店資金」なので、ようするに表に出せないお金、監査が入ったら大騒ぎなため会社としても表立って警備を厳重にできないという事情がある。

別荘に新しく雇われたガードマン・財津一郎を薬物で眠らせ、交番に運び込んだ一味は婦警さん(5)に変装したお志麻さんが言葉巧みに、またもや金庫の秘密を聞き出す。

そんな財津一郎を最初から全然信用していなかった(たぶん、たぶんね)美人秘書は、重役の海外出張壮行会のパーティーに出席し、周囲を警戒する。ステキなイブニングドレスをまとった(6)お志麻さんも計画実行のために参加。

ところが、この計画を裏切った有島一郎が抜け駆けしようとして、金庫のタイマーの仕掛けに引っかかってしまい、中に閉じ込められる。緒形拳、西村晃は、別荘を一時的に停電にして通風孔から潜入。赤外線装置やセンサーを潜り抜けて金庫を開錠、まんまと偽札との交換に成功する。

ああ、やっぱり頼りないヤツ、財津一郎。暗がりに乗じて美人秘書のケツにタッチするしか仕事無いのか?

大成功した一味は、偽札の印刷工場だった、東京湾にある戦時中の海堡に山分けした金を隠す。しかし、お志麻さんだけはなんとなく罪滅ぼしの気持ちもあって孤児院に寄付していた。すぐに金を使うとアシがつく、しばらく寝かしておいたその大金をいよいよ回収に向った一味に、船舶の運航に支障を来すという理由で海堡爆破の予定が知らされる。

なんとか舟で島に上陸しようとしたが、火薬まみれのそんな危険なところへ行きたい漁師なんかいないし、そもそも爆破作業の職員に止められちゃって・・・そうこうするうちに島は大音響とともに大爆発。

大金をフイにした一同だったが、超ポジティブな人たちだったので「レザボア・ドッグス」のような物凄い結末にはならず、明るく海外へ脱出するのであった。

イタリア映画の「黄金の七人」のつもりだろうか?緒形拳の役名が「学者」だしなあ、でも七人じゃないぞ、有島・西村・緒形・左・お志麻さん、5人しかいないぞ?財津一郎入れても6人だよなあ。じゃあ、コスプレで7つってことか?それも大目に見て6しかないような・・・。

ま、いいか、脳天気なところがリスペクトのポイントってことだろう。どうでもいいことだが、杉本エマがスタイル良くて目の保養。あと、ザ・リンガーズって?

2010年07月19日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2010-07-19