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大番頭小番頭


■公開:1955年

■製作:東宝

■製作:佐藤一郎

■監督:鈴木英夫

■脚本:井手俊郎

■原作:佐々木邦

■撮影:山田一夫

■音楽:松井八郎

■編集:

■美術:北猛夫、北川恵笥

■録音:西川善男

■照明:西川鶴三

■主演:池部良・・・かな?どっちかって言うと藤原釜足じゃないかと思うんだけど?どう?

■寸評:

ネタバレあります。


万年青年、本人がそれをヨシとしていたかどうかは別にして、池部良の詰襟学生服の限界点。

新卒の大学生、原野クン・池部良はこともあろうに、老舗の下駄屋さんの就職試験を受けることにしました。面接試験の待合室は店先の土間、すでに息子くらいの若い同期生に囲まれた学生服姿(爆)の原野クンは最初に呼ばれて会場へ、会場といってもそこは二階の客間、当然畳敷き。原野クン、正座で面接です。

面接官は、青年社長(え?)の房吉・伊藤雄之助、その義理の姉、広子・若山セツ子、そして先々代からの従業員であり現在は大番頭を勤める善助さん・藤原釜足。そろばんが全然できないのは致命傷かとおもいきや、人品骨柄とハンサムだったから?原野クンは無事に採用されてしまいます。

良ちゃんは歩くとき肩を揺するので、ちょっと見た目は不良です。ところで肩揺すって歩く人は、行列に割り込みたいか、または、ふてくされているかのどっちかですが、たぶん良ちゃん、後者?

下駄屋さんなので原野クンの制服は和服です。しかし、社長の房吉は自社製品を時代遅れだと卑下していて、水商売に興味津々。彼は、急逝したお兄さんの後釜なので、社長としての自覚も、製品知識も不足しています。それでも商売しくじらないのは、従業員・南道郎国友昭二らが優秀でイイ人だから、そして誰よりも社長が頼りにしている大番頭の善助さんのいぶし銀のような活躍のおかげです。

経営者が自社製品を知らないか、または尊重していないという状況は危険です。社員のモチベーションが著しく下がってしまうためです。しかし、そうならない、ここの従業員が、房吉を社長だと認めていない、会社の施策についてあまり重要な立場でコミットしていないことが見抜かれているからです。

ある意味、こちらのほうがタチが悪いと言えなくもありません。

広子はプレッシャーからか芸者・北川町子に夢中になっている房吉を心配した広子と善助さんは原野クンに監視役を依頼します。公私共に社長の相手をさせられる原野クン、ブータレますが、彼は社会人としての自覚があるため我慢するのでした。

広子の郷里は九州です。ある日、妹の絹子・雪村いづみが修学旅行で上京してきます。彼女は仮病を使って下駄屋さんに運び込まれ、そのまま夏休みまで居座る計画でした。奔放な性格の絹子は、従業員達の中で最も高学歴・高身長・収入はさておきハンサムな原野クンに一目ぼれです。経営者の親族という立場をフル活用、英語の家庭教師を依頼します。

原野クンが正座で教えているのに、この小娘は足を崩して上の空。イキナリ歌まで歌いだします。原野クン、演技とは思えないうんざり顔が素敵です。しかも、だよ、この馬鹿娘(ヒドイ呼び方)は大先輩にタメ口だぜ!社長夫人の親類だと思って我慢してやったのに、または、東宝移籍第一作だからってみんなでチヤホヤするからこんなことになるんだ・・・とでも言いたそうな原野クン=良ちゃんでありました。

しかも、このクソ馬鹿娘(あ、さらにヒドクなってる)は店の手伝いもしないし、勉強もしない。それで毎日3通も原野クンにラブレターを書きます。広子と善助さんは絹子を田舎に帰らせる作戦を原野クンに依頼しました。原野クン、もう誰にも遠慮はイリマセンから、勝手に恋人宣言をした絹子に向かって堂々と断り、その理由として「馬鹿だからです」と言い放ってしまいます。これにはさすがの善助さんも「あそこまで(本当のことを)言わなくてもいいのに」と同情してしまうのでした。

東宝期待の人気歌手に向かって「馬鹿」とストレートに言い放つ東宝の大ヴェテラン、すごい絵柄です。

本当の目玉の大きさの3倍くらいのアイライナーとマスカラつけてる魚類みたいな顔したトンコと、イイトシこいた良ちゃんがくっつくなんて!それって犯罪じゃね?あ、雪村いづみファンの皆様、これもひとえに良ちゃんファンのたわ言だと思って聞き流してくださいませ。

社長の付け馬にうんざりした原野クンは辞職願いを書きます。広子はせっかく就職したのに数ヶ月で止められてしまっては店の信用にかかわると、まずは芸者と房吉を別れさせようと置屋さんに善助さんを派遣します。と、なんと!置屋のお清・浪花千栄子は善助さんの元カノでした。やけぼっくいが大炎上した善助さんにやっと春が来そうです。

さて、房吉ですが、インチキな不動産投資に遭いそうになったところを、法律に明るい経済学部出身の原野クンによって助けられます。家業に専念することにした房吉を広子が支えました。二人はやっと言い感じになりました。原野クンは善助さんと一緒に、大きな小番頭と小さな大番頭コンビを結成(?)二人で元気良くお店に出勤するのでありました。

原野クンがどうみても親子にしかみえない、こまっしゃくれた妹から、そろばんを必死に習うところがチャーミング過ぎです。おまけにお父さん・御橋公とお母さん・村瀬幸子(いくつの時の子供だよ・・・)から「計算機のほうが早く計算できるのにねえ」とこぼされてしまうのでした。

主な出演者の恋は成就するのに、ひじょうに珍しく終始、ブッキラボーな良ちゃんですが、小娘からおちょくられてブー垂れる二枚目ってのもまたオツなものです。しかし、今回はトンコに対してあんまりだったかな、と思いました。結局のところ、感想としてはそれが全部、カルーイキモチでご覧ください。

2010年05月02日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2010-05-03