33号車應答なし |
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■公開:1955年 ■製作:東宝 ■製作:田中友幸 ■監督:谷口千吉 ■脚本:谷口千吉、池田一朗 ■撮影:山田一夫 ■音楽:芥川也寸志 ■編集: ■美術:阿久根巖 ■照明:西川鶴三 ■録音:西川善男 ■主演:池部良 ■寸評:石橋蓮司、子供の頃からチリチリ髪 ネタバレあります。 |
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賛助が警視庁、オマワリさんが主役、そして主役は池部良とくれば、勝ったも同然。 村上巡査・池部良は先輩の原田巡査・志村喬と一緒にパトカー33号車で今日も夜勤のパトロールです。クリスマスの夜、新婚ほやほやの村上の妻、敦子・司葉子はご近所から嫌な感じで見られています。「人に嫌われる職業」がイヤだと抗議する敦子と村上は、喧嘩別れして出勤していました。 街は華やかで賑やかでしたが、警察官を射殺した凶悪犯人がうろついているので油断がなりません。そいつは浅沼浩・平田昭彦(様)という男で、手配写真が意味不明にカッコいい凶悪犯です。 ヒロポン中毒のバタ屋・沢村いき雄のいたずら通報に気が短い村上巡査キレますが、そこはヴェテランの原田巡査がなだめてくれます。猛スピードで走りぬけたタクシーを追いかけてみると、運転手・柳谷寛は子供にクリスマスプレゼントを買ってあげて早く家に帰りたいという善良な人、それと、お客さんはオウムを連れたほがらか(すぎる)な若い女性・根岸明美でしたので原田巡査は違反切符は切りましたがほっと安心します。しかし村上巡査は女がキチガイみたいに大笑いするので「アタマがおかしいのでは?(またはポン中)」とちょっとだけひっかかります。 またもや110番。おかしな人が薬局に来ているのでなんとかしてほしいとのことです。ブリキ屋のオジサン・瀬良明は青酸カリが欲しいと言うのでした。とりあえずオジサンを抱えて家に行くと、オジサンが抵抗して家に入ろうとしません。家の中では子供が勉強していました。村上巡査はとっても子供が好きなので声をかけますが返事がありません。 子供は死んでいました。オジサンは一家心中するために子供三人を殺していました。そして自分は死に切れず毒薬を手に入れようとしていたのでした。村上巡査はやりきれない思いでいっぱいです。 署に帰ると、コソ泥したガキが連れてこられます。街の篤志家、おもちゃ工場を経営している須川・沢村宗之助は浮浪児を引き取って育てているのでした。なんていい人なんでしょう、大人の都合で子殺しする人もいれば、こういう人もいるんだと村上巡査と原田巡査は救われたような気がします。 いや、良ちゃん、相手は伊藤雄之助のお兄さんだぞ!油断しちゃダメだ! リアカーに臨月の奥さん・河内桃子を乗せて口笛をふいて自転車をこぐ男・土屋嘉男がいました。金がないので安価でお産させてくれる病院まで行くところでした。気の毒なのでパトカーに乗せてあげることにしました。だんだん奥さんのつわりが重くなってきたので、村上巡査はパトランプぐるぐる回してサイレン鳴らしながら(おいおい・・)病院へ急いであげます。シアワセそうなカップルにちょっと羨ましい感じの村上巡査でした。 署に戻ると、タクシーの運転手が殺されて車が奪われたという情報が入ります。さっきのやさしそうな運転手が被害者でした。村上巡査は女の態度がおかしかったことを思い出します。街へ出たパトカーは、民家に侵入して逃げていく子供を発見します。子供が逃げ込んだ先は篤志家の須川が経営している工場でした。 原田巡査は工場の一角にあのタクシーと同じ車種の車が隠されているのを発見します。偽装ナンバーでしたが、間違いありません。原田巡査は何者かに襲われます。村上巡査が後から須川の工場へ行くと、さっきの子供がいました。二階からオウムの鳴き声がしました。そして凶悪犯の浅見が仲間と潜伏していました。村上巡査はバケモノのようにデカイ男にチョークスリーパーをかけられて落ちてしまいます。 須川は子供たちをヒロポン中毒にしてスリやかっぱらいをさせて上前をはねているという、まるで「オリバー・ツイスト」に出てくるユダヤ人のフェイギンみたいな悪党でした。さっきのげらげら娘、ユリ・根岸明美は須川の娘で、おまけに凶悪犯の浅見の情婦でした。しかもユリはかわいい顔してますが運転手を撃ち殺したのは彼女でした。浅見とユリは海外へ高飛びする予定です。 33号車が行方不明、警察無線にも応答無しです。浅見とユリは原田巡査を人質にして村上巡査に運転させ港へ向かいます。途中、無線に応答しないと怪しまれると思った浅見が村上巡査に連絡するように言います。村上巡査がここでデタラメな報告をしたので、上司の岡田主任・清水元、森川主任・村上冬樹はすぐに33号車を探すように全パトカーに連絡します。 ボートに乗られたら万事休す、村上巡査は貨物列車が通る線路の近くで急ブレーキを踏んでパトカーを横転させます。浅見とユリはしぶとく逃げます。村上巡査が後を追い、原田巡査が警察無線で連絡しました。石炭を積み込むクレーンのところまで逃げてきた浅見とユリでしたが、ベルトコンベアーから足を踏み外したユリは死んでしまいます。浅見と村上巡査は石炭で真っ黒になりながら流血の殴り合い勝負を演じ、ついに村上巡査が勝ちました。船で迎えに来ていた仲間も、警察艇に取り囲まれました。 村上巡査は怪我をしましたが、何事も無かったように家に帰ります。前日にケンカした妻の敦子は、ダンサーをしている姉・中北千枝子に誘われてダンスホールとかアイススケートとか憂さ晴らしをしましたが、街中で女の酔っ払い・塩沢登代路(後・塩沢とき)相手に悪戦苦闘するオマワリさんを見ていてあらためて亭主の仕事の大変さを思い知ったので、模型作りが好きな村上巡査のためにクリスマスプレゼントのラジコンを買ってあげるのでした。 テレビがやってるドキュメンタリー「警視庁24時」の元祖みたいな映画です。警察の内部事情を詳しく描き、単なる宣伝映画というわけではなく、凶悪犯が善良な市民の生活を一瞬にして破壊させたり、日常に潜む悲劇的な事件やささやかな幸福を丁寧に描いていきます。エピソードができすぎなのでクサミが出そうなもんですが、ぶっきらぼうな良ちゃんのおかげで大丈夫でした。 子供と遊んでいるときの男子の顔は最高です。亭主の職業は嫌いですが、司葉子が惚れたポイントはずばりそこだろうと、女子観客は全員同意です。ま、特に笑顔がステキな良ちゃんなので、一方で緊迫感のあるシーンだと妙にやる気なさげに見えちゃうんですけど、これもまたグーでした。 須川のところにいる浮浪児の一人が、まるでおっさんみたいなふてぶてしさで「ポンくれよ!ポン!」とヒロポンをねだっていました。こんな小さいうちからクスリなんかやるから、大人になってあんなふうに・・・子役時代の石橋蓮司でした。まるで「オリバー・ツイスト」でジャック・ドーキンズやったジャック・ワイルドみたいでした。ちなみに、この浮浪児の中に一人、亀田興毅 にそっくりなのがいました。ドン引きするくらい似てました。 さて、東宝大部屋俳優大挙動員の本作品、ニューフェースを探せ!ですが、中丸忠雄は「街頭テレビを見る一般市民、画面下手の前から二番目」でした。 (2010年01月10日 ) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2010-01-11