その場所に女ありて |
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■公開:1962年 ■製作:東宝 ■製作:金子正且 ■監督:鈴木英夫 ■脚本:升田商二、鈴木英夫 ■原作: ■撮影:逢沢譲 ■音楽:池野成 ■美術:竹中和雄 ■照明:隠田紀一 ■録音:渡会伸 ■助監督: ■主演:司葉子 ■寸評:この年は東宝30周年なので、力の入った(いい意味で)作品多数、何せ東宝では希少な「忠臣蔵」とかもあり。 ネタバレあります。 |
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職業婦人がキャリアウーマンじゃなくてOLでもなくてBGと呼ばれていた頃のお話。 薬品業界を任されている律子は、新製品の回春剤を売り出そうとしている老舗の製薬会社が大々的なキャンペーンをやるらしいという情報を掴みます。部長の水沢・西村晃、上司の乾・織田政雄、塚本・伊藤久哉、そしてチーフデザイナーの坪内・浜村純らとともにプロジェクトチームが発足。律子は、広告予算の額をクライアント先から聞きだそうとしますが、すでにそこにはライバルの大手広告代理店から来た営業マンの坂井が食い込んでいました。 坂井は物腰こそスマートでしたが油断なら無い人物、律子は内心ではカッコいいとは思いつつ警戒します。 坂井の作戦には薄々感づいていた律子は怒髪天を突くとともに、自分を許せなくなってしまいます。 東宝サラリーマン映画を女もすなる、といったところでしょうか。他社のサラリーマン映画ですと「絶対いねえよ、こんなヤツ」という感じの登場人物がわんさと出てくるのですが、なぜか東宝のソレだと出演している全員が漏れなく、無理なく、本物のサラリーマンに見えてくるから不思議です。どの映画会社にも十八番というのはあるものです。 本作品においては、宣伝部という男子一生の仕事にしては水っぽい部門で、影では馬鹿にされているのを百も承知で日々、代理店の営業からの接待をエンジョイし、仕事欲しさで立場の弱い女子営業職にセクハラをかます、宣伝課長の石田茂樹が絶品です。ひょいとつまんだ名刺を宝田明が恭しく受け取るシーンと、コンペで上司・松本染升にペコペコしながらつつがなく進行していくシーンの対比に、現在、企業で中間管理職として勤務されているサラリーマンの皆様は、最大限のシンパシーを感じることと思われます。 ラストシーンでは仲良し3人娘が、娘と呼ぶにはいささか抵抗が・・・、元気よく横断歩道を闊歩するところです。街頭ロケなので万が一に備えて、周囲を大部屋俳優で固めています。たとえば東映ならありえないことかと思います。撮影中の事故に対する対策という点においても、企業としての姿勢の違いが明確です。 つまり、東宝そのものの体質がサラリーマン的である、ということかと思います。 いやあ、しかし、児玉清って本当に芝居下手ですなあ、不器用を通り越して気の毒なくらい。シゴかれても致し方なし、監督の「(美人)女優さんスキスキ!」光線も鼻につくところですが、演技指導を逆恨みするのはやっぱ、男子としては今ひとつという印象です。 (2009年08月29日 ) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2009-08-29