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ゴジラ FINAL WARS


■年度:2004年

■制作:東宝

■制作:富山省吾

■監督:北村龍平

■脚本:三村渉、桐山勲

■原作:

■撮影:古谷巧

■音楽:キース・エマーソン、伊福部昭、佐藤勝

■美術:瀬下幸治

■録音:斉藤禎一

■照明:高坂俊秀

■特撮:浅田英一

■主演:宝田明、水野久美(筆者推奨)

□トピックス:

ネタバレあります。


 昭和30年代後半生まれの筆者は劇場では、はっきり言って浮いていたわけですが、だって観ている他の人と笑いのポイントが全然合わないんですよ、いいじゃんかよー!宝田明@アンドリュー星野の「昔は百発百中の男と言われたんだ」の台詞で爆笑したってさー、ちったあ勉強しろよ!ゴジラ以外の日本映画を!と、逆ギレしたくなった次第。椅子から転げ落ちそうに爆笑していた筆者に怪訝な顔した隣のカップル、気持ちは分りますがこれがゴジラ50年の歴史というものでございます。ヲタクから一見さんまで、ゴジラのストライクゾーンは限りなく広いのでございます。ゆえに取りこぼしも多い、というのが本作品であったかと思われます。

 ゴジラ映画は50年目でこの作品が最後になるそうですが、いやなに「メカゴジラの逆襲」のあと10年くらい作られなかったこともあるのであまり気にしてませんけどね、筆者としては。どうせ東宝のやることですから。

 巷間、あれこれ評判が立っているのでありますが、筆者も便乗します。

 えーっと、まず最初に「北村一樹の演技がキレていてよい」という意見を耳にしますが、確信犯的な北村さんよりも、自然で普通で本人だけが気づいていないけど周りから見たら思いっきり変だった、て言うかカッコいいと本気で思っていた(らしい)土屋嘉男さんのほうがよっぽどキレていた、と思われます。

 では、本題。筆者が盛り上がったポイント一覧。

 あーやっと出たかと思ったら即刻退場なのがヘドラですがそういえばリアルタイムで観たときも印象薄かったし。やっぱ水野久美は「波川」さんなのですね。佐原健二は相変わらず理系が似合いませんねえ。もちろん藤田進が轟天号を開発したのも信じられませんでしたが。ところでジェットジャガーはどうしたんだ!というツッコミはアリでしょうか?グッドリッジとセフォーったら「ゴジラ対メカゴジラ」の音楽でノリノリ?佐野史郎の役どころって天本英世か岸田森か。

 ・・・以上。少ない?ですか?

 ゴジラがなぜ日本を襲撃するのか?ゴジラ映画の根底に延々と流れ続けた大命題を「もう勘弁してやれよ」という泉谷しげるの一言で済まされたんじゃあ泣くに泣けません(いや、泣いたんですけどね)。子供が大人を、ミニラがゴジラを止めるのシーンで場内が、セシル・B・デミル監督の「十戒」の海のシーンのように真っ二つに割れたように感じたのは私だけではありますまい。せめてその台詞、おタカ(宝田明)に言わせたのなら百歩譲って納得できましたものを・・・。

 全編これ過去の怪獣映画と東宝特撮映画(および東宝アクション映画)のパロディで埋まっていたわけですが、オールスタア映画なので夫々に見せ場をもってこようとすれば他に手がなかったのではないか?という気もします。オールドタイマーズの脳に電波を送りまくった感のある作品ですので欠場者の存在にもまた涙腺を核攻撃されたかのごとくでございました。あらためてゴジラ映画における平田昭彦(様)の存在感(ああ、やっぱりソコ行くか)、そして、怪獣を人類の英知で倒すために平田昭彦(様)的な何かを追い求めている自分をヒシヒシと感じました。

 ちなみに、カンフーっぽい、ていうか東映東京の戦闘モノっぽいアクションはいかがなものか?というご指摘もございましょうが、だってコーディネイターが竹田道弘先生なので仕方なし、と思われます。

 あ、しまった!明るく元気に大活躍した主役の松岡昌宏のことを書くスペースがなくなってしまいました。地球の恩人ドン・フライとか、船木誠勝がすげーカッコいい!渋いぜ高杉亘!とか、観終わった後でほとんど記憶に残らなかった菊川怜、珍獣(筆者認定=ファンの皆様申し訳ございません)水野真紀とか、年輪というものをまったく感じさせない伊武雅刀、そういえば伊武さんとおタカ(注・宝田明)は某生命会社のCFでも共演中でしたね。

 さて、興行配収が見込めなくなったら、スタジオジブリでも「切る」東宝様でありますが、次のゴジラはいつ頃復活するのでしょうか?やはりその折は「帰ってきたゴジラ」とか「ゴジラ・リターンズ」とかのタイトルでしょうか?

 で、結局のところ筆者はこの作品がとても面白く、感動しました。けなしまくったわりに最後はフォロー?というよりも、こういうオチのつけ方しかなかったんじゃないの?という甚だ消極的な感想であり、また、次に期待!という祈りを込めさせていただきました。

2004年12月26日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2005-01-01