HOUSE ハウス |
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■公開:1977年 ■制作:東宝映像、東宝 ■制作:大林宣彦、山田順彦 ■監督:大林宣彦 ■助監:小栗康平 ■脚本:桂千穂 ■原作: ■撮影:阪本善尚 ■音楽:小林亜星、ミッキー吉野 ■美術: ■主演: 池上季実子 ■トピックス: ネタバレあります。 |
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リチャード・マシスンの「ヘルハウス」は頭の悪そうなパメラ・フランクリンと、 お猿のロディー・マクドウォールが活躍する恐怖屋敷映画で、後に黒沢清が「スウィート・ホーム」で邦訳してくれましたが、それとこれとは関係ありません(なら出すなよ)。 すでに公開から20年以上もたってしまい、出てくる人たちの中にはすでに、その名前すら誰も覚えていない人が含まれていたり、また、現在ではとても同一人物とは思えないくらい顔面崩壊が進んでおられる方もいます。そういう観点で見ても興味深い一作でありますが、当時の光学合成を駆使した「面白がり派」の映像資料としても最も価値のある一作と言えましょう。 「話(スジ)はなくとも絵でもたす」後のビジュアル系ホラー映画の原点と言えるかも知れません。 内容は、年齢不詳の叔母・南田洋子が住んでいる(いや、棲んでいる)お屋敷に遊びに行った姪の、お化粧大好きなオシャレ・池上季実子と、そのお友達軍団、怖がりのファンタ(ファンタスティック、のファンタ、だと思います)・大場久美子、お勉強のできるガリ(ガリ勉、のガリ、だと思います)・松原愛、ピアノが上手なメロディー・田中エリ子、食物に目の無いマック・佐藤美恵子、クンフーが得意な男の子っぽいクンフー・神保美喜、これといって特徴を見出せない(筆者としては)スウィート・宮子昌代が遊びに行くところから始まります。 途中で出会う意味不明などうでもいいチョイ役(または、カメオ出演とも)の人たちが、仕掛けのわかったお化け屋敷の囃し方として登場します。すでに食欲全開の南田洋子は、お屋敷と同化しており、少女たちを食べてしまうわけです。若い娘のエキスを吸って一瞬だけ若返る南田洋子、バックには戦争で恋人をとられた悲しいドラマがありますが、そこんところを妙に強調して「泣かせ」を強制しないところが、筆者としては一番好きなところです。 井戸に落ちて生首になったり、その生首が探しに来た娘の尻に噛み付いたり。メロディーはちょっと白痴っぽくて好きなキャラクターですが、死に様は凝ってました。ピアノに指をガシガシ食われて、挙句の果てにはピアノ線で切断され、ピアノ線(仕掛け)で吊るされてバラバラになります。ピアノが好きな人でしたからある意味、本望と言えましょう(笑えませんが)。ほか、血の海で溺れたり、布団に襲撃されたり、電灯の笠に喰われたり、と若い娘が喰われていく場面のアイデアの限りを楽しむ映画であります。 もちろん、そのスジの方々にとっては池上季実子の入浴シーンにおける胸部チラ見えが「いいっ!」という意見もございましょう、そして、なんと言っても昭和の美少女、神保美喜が映画のほぼ過半数の時間をタンクトップとパンツ(てか、ギンガムチェックの水着)一丁で汗にまみれて走り回る健康美、というものも見どころの一つかと思われます。 まかり間違っても、アチャラカ喜劇に通じるような駄洒落と、鼻につく(だけの)楽屋オチ的駄ギャグで笑える人間は21世紀の日本にはいないと思いますが、年齢を超越した鰐淵晴子の作り物でないある種のホラー風味だけは、時代を超えて堪能できるものと思います。 東宝なのになぜ「トラック野郎」なんだ?とか、やっぱ大林監督と言えば三浦友和だよね、など、制作当時をリアルタイムで生きた年代層の客にとっては懐かしい時代の息遣いも感じられるのではないでしょうか?にしても、映画としては、映画に期待される人間ドラマだとか思想性だとかそういうのとは無縁なので「映画的な何か」をお求めになる方にはオススメできません。 映画を見終わって「ブラック・ユーモア」とはなんだろうか?と真剣に悩んでしまった筆者ですが、あらためて「エロ・グロ・ナンセンス」と「ブラック・〜」とを混同するとすっげーつまんねーことになるんだな、と納得しました。 (2004年06月06日 ) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2004-06-06