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呪怨


■公開:2002年

■制作: 「呪怨」製作委員会(パイオニアLDC/日活/オズ/ザナドゥー)

■制作:一瀬隆重

■監修:高橋洋、黒沢清

■監督:清水崇

■脚本:清水崇

■原作:

■撮影:喜久村徳章

■音楽:佐藤史朗

■美術:常盤俊春

■視覚効果:松本肇

■主演:奥菜恵

■トピックス:何かが足りない・・・そうだ!大杉漣だ!(爆)

ネタバレあります。


 およそ昭和の時代において大作と呼ばれる映画に丹波哲郎がいないとシマラナイように、この映画には平成のホラー映画として何かが欠けています。そうだ!大杉漣がいない!(爆)

 もしも、ホームヘルパーが訪問した家が呪われていたら?きっと清水崇が作ろうとしたのは「お笑いホラー映画」に違いありません。 ポール・モリセイ の「悪魔のはらわた」が、シズル感という点では物凄く怖い=痛いのに、その「やりすぎ感」と無茶なキャラクター改造計画のあげく最終的にものすごく馬鹿っぽくなってしまい爆笑できるのと同じように。さらに、この映画の重要なキャラクターとして登場するが黒猫なので、この映画は「化け猫」映画でもあるわけですね。

 というわけで(どういうわけで?)、この映画は全然怖くありません。むしろ、笑えます。

 怨霊のメイクは見てるだけで大爆笑ですし、登場の仕方もお化け屋敷のような予定調和の世界なため、ホラーとしてはどうしようもない映画になってしまいました。ですが、この映画の意外なひろいものは「何もしていないのに怖い」寝たきりばーちゃん役の磯村千花子と「ボケてんじゃねえの?」という気がしないでもない老人ホームの入居者役の谷津勲でした。おびただしい分量の「おねしょ」布団を見た瞬間、以降の全シーンがぶっ飛んでしまいまし、ご老人にしか見えない怨霊というのも、ホラーというより「メルヘン」だったかも。

 お話は、猟奇殺人事件が起こった家にまつわる人たちが、怨霊に憑りつかれたり、殺されたり、そんでもって復活して怨霊化したり、という連鎖が時間の入り組んだいくつかのショートストーリーとなって展開します。

 ホームヘルパーの理佳・奥菜恵が訪れた寝たきりのおばあさん・磯村千花子の家には家族の気配ゼロ。それどころか封印された押入れにはトンでもないブツが隠れていました。その数日前、おばあさんの息子夫婦・津田寛治松田珠里も恐ろしい怨霊に襲われていたのでした。

 おばあさんの実の娘、仁美・伊東美咲の勤務先にも怨霊はやってきました。警備員を始末した挙句、仁美もまたマンションで襲われてしまいます。怨霊の呪いは理佳の勤務先の上司や親友にも波及します。老婆が住んでいたその家で起こった猟奇殺人事件を捜査した元刑事・田中要次とその一家にも・・・

 というわけで、いわくつきの「家」があって、そこに関わったすべての人たちに呪いが伝染していくというお話です。「目に見えない」「科学では解明できないもの」というのは、新種のウイルスのようなものなので、怨霊=ウイルスという解釈がこの映画を飲み下す処方箋として適切かと思います。「リング」では病原体が「ビデオ」でしたが、今回は空気感染ですのである意味、本当に「怖い」と言えるかもしれません。

 ところで眼球が乾いちゃいそうなくらい熱演してくれた最初の被害者・ 藤貴子。登場するときの、あの「カラカラカラ・・・」というサウンドエフェクトですけれど、「もののけ姫」の「こだま」っぽいなあ、と思ってたら「もののけ・・・」で声優さんやってたんですね。で、恐怖キャラは母子ともに「白塗り」の山海塾。

  「悪魔の・・」(しつこい?)の天然キャラ、ウド・キアーに相当するのが「殺人お父さん」だとすれば、もっと「やりすぎ」なキャラであったほしかったと思います。では「呪怨2」に期待して今回はこのへんで。

2004年04月25日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2004-05-09