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聖獣学園


■公開:1974年

■製作:東映

■企画:高村賢治

■監督:鈴木則文

■脚本:掛札昌裕、鈴木則文

■原作:鈴木則文、沢田竜治

■撮影:清水政郎

■音楽:八木正生

■美術:中村修一郎

■主演:多岐川裕美(新人)

■トピックス:

ネタバレあります。


 男子禁制という名のもつ魔力とでも申しますか、ついにアーメン業界の修道院まで毒牙にかけた東映の野心作、て言うか多岐川裕美にデビュー作として名高いエロ映画。

 多岐川魔矢・多岐川裕美はシャバの思い出作りのために行きずりの男、青木・谷隼人と女子高生のような昼のデートを楽しんだ後、夜は思いっきりエロいセックスをしてから、尼さんだった母親の死因をつきとめようと、厳格な修道院に入ります。そこには、ハイミスやズベ公など社会からドロップアウトした女たちがわんさと神に仕えていました。

 修道院の幹部は、32年間「処女」だったと言い張る副院長の松村定子・三原葉子、戒律を守るためなら人でも殺しそうなくらいの院長、小笠原綾・森秋子、「ハイジ」に出てくるロッテンマイヤーさんを百倍くらい悪相にしたヒステリーババアなどいかにも怪しいキャラクターが勢揃いです。魔矢と同室になった尼たちも、泥棒の濡れ衣をかけられたらさっさと裸になっちゃうサービス精神満点な女たちです。

 そして極め付きは、司祭の柿沼・渡辺文雄。ハーレムの主のごとく登場する渡辺文雄のいでたちは、長髪にヒゲ面、ジーザス・クライストというよりは新興宗教の教祖のごとき胡散臭さ。おまけに、院長とは肉体関係アリというトンでもない奴です。彼のポリシーは、長崎での被爆体験によるトラウマがベースになっていて「この世に神はいない、人を救う神などありえない」というディープなものです。

 したがって、こんな司祭が支配する修道院の地下室には、目的不明な硫酸プールまであったりします。修道院なんて閉鎖的で怪しい雰囲気だからって、ショッカーの秘密基地じゃないんだからさあ、と思いますが、戒律を違反した者に対する集団リンチのような光景を見ていると、あながち「ありかも=死体処理とかに便利かも」と妙に納得してしまいます。

 さて、母親の死の真相を知ってしまった魔矢に院長の魔の手が忍び寄りますが、一瞬の隙をついた彼女は院長を硫酸プールに沈めます。魔矢を毒殺しようとした修道尼のナタリー・衣麻遼子を鐘楼のてっぺんから突き落として殺した後、彼女になりすました魔矢は復讐のために柿沼に抱かれます。近親相姦をした柿沼は、嫉妬に狂って硫酸プールから生還した院長の手にかかり命を落とします。

 文字通り、身体を張った復讐を終えた魔矢はもとのイカス娘として街の雑踏へ消えていくのでした。

 十字架を叩き壊すわ、人殺しの武器に使うわ、宗教関係者がコレ見たら腰を抜かすんじゃないかとハラハラするような展開ですが、ここまでやりたい放題ならば、だれも本物の「修道院」と混同する人はいないのではないか?と思いつつ、この映画見た後で、尼さん見て欲情するトンチキも現れそうです。ちなみに、この映画観るまで「尼さんは剃髪している」と思ってたんですがみんな髪の毛がありました。

 映画最大の見どころは、妊娠が発覚して水責めにされる修道尼・渡辺やよいの放尿シーンと、トップレスで茨に巻かれバラの鞭でシバかれる多岐川裕美、というあたりかと思います。

 女囚もの、女子学園もの、大奥もの、女を「縛って叩いて戦わせる」という、モテない殿方の暗黒方面を一気に炸裂させる映画としてはタイヘンにゴージャスな内容の映画でありました。ちなみに、谷隼人のパシリとしてたこ八郎が出演しています。三原葉子とあとちょっとでセックスできそうでしたが、兄貴分に横取りされてしまう気の毒な役どころでした。

2004年02月22日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2004-02-22