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シベリア超特急3


■公開:2003年

■製作:水野晴郎事務所

■製作:水野晴郎、小松功

■監督:MIKE MIZNO

■脚本:上代務、北里宇一郎、水野晴郎

■原作:水野晴郎

■撮影:鈴木耕一

■音楽:

■美術:木村威夫、安宅紀史

■主演:水野晴郎

■トピックス:

ネタバレあります。


 キワモノ呼ばわりされた「シベリア超特急(シベ超)」もパート3ともなれば一応、普通の映画になってしまい(てか、なってよかったね)、もはやネタにもされなくなり、それはそれで水野晴郎先生も寂しいかもしれないので紹介することにしました。だからどうした?というほどのことではありませんが、せっかく「催眠」で殿と共演してくださった宇津井健も出演していることだし、推理劇だとすれば長い台詞とか大丈夫なんだろうか?それと、息子がクスリであげられた後はなんとなく日陰者扱いされている三田佳子はどうなのか?と映画が普通になったら観てるほうが色眼鏡で見てしまうといった、不純な動機は否めません。

 毎度おなじみ事件の発端は第二次世界大戦開戦前夜のシベリア超特急の車内、ではなくて、二十一世紀のここ日本。

 豪腕で鳴るテレビ局の会長、宮城伝蔵・宇津井健の誕生パーティーが開かれている瀬戸内海のゴージャスなクルーズ船の中で殺人事件が発生。パーティーを演出したのは森英恵みたいな名前のファッションデザイナー森裕美・三田佳子。パーティーに招かれていたのは、伝蔵の友人の沢島軍平・内藤武敏、そして伝蔵の孫娘、和世・真柄佳奈子

 伝蔵に恨みを抱いていたプロ野球選手の死体が客室で発見され、同じく伝蔵にヒロインを降ろされた女優が海へダイブ。気がつけば乗組員の姿はなく、1941年第二次世界大戦前夜のシベリア超特急の車内で起きたある事件にソックリな状況へ。伝蔵・田中丈資(少年時代)と沢島・安藤一平(少年時代)はシベリア超特急で乗り合わせた山下奉文陸軍大将・水野晴郎、佐伯大尉・西田和昭、そしてユダヤ系の日本人オリビア・大塚ちひろ との思い出話を始めるのでした。

 今回はちゃんと車体が「揺れ」ているシーンがありましたし、ボンちゃんの綱渡り(文字通り)シーンもアリで期待を裏切りませんでした。何を期待していたのか?もう少しロープを太くしないとアレじゃ無理だろう、というツッコミです。

 軍事機密文書にまつわる悲劇。エピソードのぶちこみ加減もよろしく今度こそ本当の「ドンデン返し」になっていたかと思います。このシリーズは映画そのものはとても真面目に作られていて「こうしたら客は喜ぶだろう」というサービス精神はそもそも旺盛だったわけで、結果が伴わなかっただけですから、学習の成果は素晴らしいものです。

 元ヅカガールや元SKDの出演者だけが楽しんじゃう状況ではなく、大浦みずきも適役だったし(そら男役のトップだもん)踊りも良かったし。3作目になればマイクの棒読みも堂に入ってきたと言えて言えないこともないでしょう、そもそも問題にするほうが間違っております。

 ただ一つ、問題があったとすれば三田佳子があいかわらずキレイキレイなまんまだったということぐらいでしょうか。なにかカン違いしているところがある意味魅力な女優様ですが、水野晴郎のカン違いのスケールに比較してあまりにも小粒すぎて全然魅力ありませんでした。三田佳子に対してラストのアガタ・モレシャンの登場のほうがはるかに印象に残りました。やっぱ女の執念ってものはこうでなくちゃ!キレイ事ですむと思ったら大間違いですわっ!。

 パーティーの招待客の中にドクター中松・中松義郎、伝蔵の妹の消息を知る娼婦役にホラー作家の岩井志麻子(おどろくほど芝居が上手いので新劇の人かと思った、ただし相対評価だが)が出てました。

2004年02月08日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2004-02-08