ふろたき大将 |
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■公開:1955年 ■製作:東映 ■製作:竹井諒 ■監督:関川秀雄 ■脚本:大場瞭介 ■原作: ■撮影: ■音楽:伊福部昭 ■美術: ■主演:石橋蓮(現・石橋蓮司) ■トピックス:名子役、石橋蓮! |
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童顔な人にとっては「昔とちっとも変わらない」というのは誉め言葉になると思うが、この映画の石橋蓮司、今とまったく同じ顔である、一目でわかる、すぐわかる、絶対に間違えない。 それだけでも見る価値があるかもしれない(ないかもしれない)。 「ヤクザ映画からまんが祭りまで」東映の児童劇映画。幼少のみぎり、東映まん が祭りを見に行った劇場に菅原文太やら高倉健やら藤純子の人着(または手描き)パネルがデカデカとディスプレイされていたことに違和感を覚えることなく育った筆者であるが、児童劇映画とか道徳の時間にみせられたこうした作品の多くにうそ臭さを本能的に感じ取りシラけて見ていた、ヤなガキだねまったく。 で、そういうかわいげのないガキのなれのはてである筆者の子供時代よりもはるか昔に作られた映画なので見るもの聞くこといちいち新鮮。 この作品に「屋根裏の散歩者」の変質者や「あらかじめ失われた恋人たち」のダ メ人間でブレイクした石橋蓮司(子役当時の名前は石橋蓮)が出演していなければたぶん二度と日の目を観る機会は与えられなかったもしれないとは思うが。 価値観の変化というのはかように思わぬ恩恵を客に与えてくれるものでありますね。 終戦から5年後の広島、戦災孤児を引き取り瀬戸内海の小島で集団生活をさせ、教育を与えていた校長・神田隆は、港の近くで食い物をかっぱらった徳さん・石橋蓮と渡辺司に出会い、一緒に島へ連れて帰る。戦時中に母親とはぐれ父親も行方知れずで浮浪児となった徳さんはろくすっぽ学校へ行ってないので、小学生のクラスへ編入させられるが、勉強にも作業にもついていけないので野良生活でおぼえた焚き火をして日がな一日過ごす。 人間どこかに才能というのはあるもので、焚き火を絶やさない徳さんの技術を高く評価した神田隆は、徳さんを風呂焚き手伝い役に任命し「ふろたき大将」という称号を与える。認めてもらったからには期待に応えねばならない、誉められたからにはさらに努力をしなければ。 今まで負のサイクルに陥っていた徳さんの日々は一変し、字も覚え、薪の費用計算までこなすようになる。 子供同志のことだから喧嘩もあるが、苦労してきた子供たちなので適当に折り合 いをつけるし、先生のほうも一人前として教育の機会といっしょに労役も与える。 「徳さんはピカ(原爆投下)のとき屋根瓦に頭をぶつけてから物覚えがわるくなったんだト」とストレートな言い回しは聞いてるほうがドキリとしますが、子供というのは手加減しないもんですな。 当時はこういう苦境の子供を見習って、みたいなふうに意図されたのかもしれないが、子供が面白半分で年寄りを襲って金品を奪ったり、他人に迷惑をかけてないという不遜な考えで自殺するような現代にあっては、大人と子供の付き合い方において理想形に見えてしまうのはいかがなものか。 価値観の変化というのはかように思わぬ感銘を観客に与えてしまうものでございますね。見るほうの勝手な都合で映画はいかようにも解釈されるってことです。 インテリジェンスあふれる先生役に梅津栄、今とはルックス大違い。徳さんのまぶたの母に原ひさ子、こちらはそのまんま若い。 (2003年06月06日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-06-09