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森蘭丸


■公開:1955年

■製作:日活

■製作:高木雅行

■監督:小林桂三郎

■脚本:八住利雄

■原作:

■撮影:横山実

■音楽:古関裕而

■美術:小池一美

■主演:中村扇雀(中村鴈治郎)

■トピックス:

ネタバレしてますご注意ください!ネタバレあり


 織田信長・山村聡の小姓、森蘭丸・中村扇雀(中村鴈治郎)の物語。小姓というと中性的な美男子でないと客の期待には応えられない。それと、男色というか信長の「ペット」的な雰囲気も期待してしまうわけで、隠微な雰囲気もあったりなんかして、、、きゃあっ!梨園の貴公子大ピンチ?なわけがなく、歌舞伎の若手(当時)アイドルを主役の据えて、そのビジュアルを思う存分楽しむに徹した映画だ。

 つーか、それ意外に見せ場なし、と言ってよい。

 この映画の直前に「美男お小姓 人斬り彦斎」という、脚本家は両方とも八住利雄だし、山村聡は連投だし、作品があるらしい。未見だけど。

 もう一方の主役は明智光秀・坂東好太郎、ガタイも押し出しも立派で、我慢強いんだけど組織の長となるとやむにやまれずという謀反の動機を伝えるには適役。坂東好太郎って戦後、歳とったら悪役の印象強いからまったくの好人物に見えちゃうと、割食うでしょ?信長が。

 信長の寵愛を一身に集めつつも、ルックスだけで出世したなんて言われちゃってちょっとくやしい蘭丸は戦に出たいと信長にオネダリ。それと、父親の城を略奪(結果的に)した明知光秀が出世してるのも面白くなく、お母さん・村瀬幸子からも期待されているので、いつかは光秀を追い抜こうと、蘭丸は焦る。小姓仲間のジェラシーゆえに友達の竹丸・名和宏(え?)に怪我させてしまった蘭丸だったが、お母さんのとりなしもあって事無きを得る。

 信長と光秀が公の場で対立する機会が増えてきて、実は光秀がいい人だったんだと知った蘭丸としては超心配。おまけに美男子の贅沢な悩み?信長の側室、おふじ・宮城千賀子と、おたき・宮城野由美子の両方から惚れられ、年増を振って若いおたきと相思相愛になった蘭丸はさらに心配の種が増えまくる。いやー悩める二枚目ってのはいいですな(ファンなら)。

 家来からもつきあげくらってとうとう謀反を起こした光秀。夜襲されて特に抵抗もできず信長は自害、蘭丸の幼い弟たちも抗戦するが殺されてしまい、蘭丸もおたきと一緒にその生涯を終える。

 クライマックスの本能寺の変まで、森蘭丸のワンマンショー。信長と光秀、山村聡と坂東好太郎がイイ芝居をするのでちょっともったいないような気もする。

 21世紀の客が見たら中村扇雀を美男子と呼ぶには抵抗ありすぎじゃないかと思われ(ファンの人、すいません)るのが困るんだが、顔立ちは綺麗だし所作もなんとなくサマになってるし、舞踏という飛び道具もありなんだけど、やっぱ主役に興味が無い人はパスだな。

 東映ピンク映画のエロ将軍(な、なんてえキャッチコピーだ)名和宏の初々しい小姓姿は笑っちゃイカン、ああこの人って美男子なんだよな、と再認識できるのでよく見ておこう。

2003年05月05日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-18