修羅の群れ |
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■公開年度:1984 ■制作会社:東映、藤映像コーポレーション ■監督:山下耕作 ■脚本:村尾昭 ■原作:大下英治 ■撮影:赤塚滋 ■音楽:木下忠司 ■美術:井川徳道 ■特撮: ■主演:松方弘樹 ■寸評:ご祝儀ゲストが超ゴージャス。 |
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東映城のプリンス、松方弘樹の単独主演による本格的な大型仁侠映画はたぶんこれが初めてではないでしょうか?東映の伝統としてこうした「襲名披露」的映画にはゴージャスな共演者がご祝儀として登場し、随所に現実を反映させた台詞や設定が持ちこまれるので、観客としてはそのへんをつい期待してしまうわけです。 で、本作品もその伝統に則ったまことに正統な映画に仕上がっています。 やくざにダマされて事業には失敗したけれど人物の立派な父親・品川隆二の背中を見て育った稲原龍二・松方弘樹は横浜やくざの大親分、加東・丹波哲郎に見込まれて身内になります。龍二の身柄は加東の兄弟分である横山・鶴田浩二に預けられます。父親の敵討ちという目論みもあって戦前の龍二は乱暴者でしたが一度ヤキを入れられてからは極道の世界で身を立てようと(ソノ世界で)努力し、綺麗でやさしい女房、雪子・酒井和歌子もゲットします。 戦後、人心が荒廃しているときでも龍二は任侠道を貫き、モロッコの辰・北島三郎、井沢・菅原文太、石河・北大路欣也、山村・張本勲、といった筋金入りの子分衆を従える大物に出世していきます。組織が大きくなるとトップダウンが末端まで行き届かなくなるのはサラリーマン社会と同様で、行動隊長の井沢は徐々に龍二の威光をかさに着るような言動が目立ちはじめ、横山は彼を破門しようとします。 松方弘樹が菅原文太を「おい」と呼び捨てにするだけでドキドキしちゃうのって筆者だけじゃないと思われます。さすがに鶴田のオジさんや丹波さんやまかり間違っても若山富三郎に対しては最後まで頭下げっぱなしでしたけど。うーん、丹波さんはともかく若山先生にだけはシャレにならない可能性が大、かと。 本作品には何人かの二世、って松方さんも二世ですけど、俳優が登場します。鶴田浩二の愛娘である小野さやかは北島三郎の妻という役どころ。俊藤浩滋プロデューサの孫の俊藤光利と、松方弘樹の息子である目黒大樹がそれぞれ主役の子供役で成長過程に応じて出演。また、丹波哲郎の息子、丹波義隆はヒットマン役で活躍、ただし松方弘樹の片腕、待田京介にとっつかまってボッコボコにされますが、後に改心してカタギになるという美味しい役どころです。 若手では今ではアメリカンな頭になってしまった木之元亮、ドッジボールのようにデブった清水健太郎、色物方面のスタアになったにしきのあきらも若干硬直気味の演技で活躍。 しかしながら、いくらなんでも分別ざかりの菅原文太があのような跳ねっ返りをやるというのは無理がありすぎ(ってか菅原さんってやっぱ大人だよねーって事ですけど)。ワッコちゃんが問答無用で松方弘樹に惚れ抜いちゃうのもデキすぎな感じは否めません。つまりどうしても「イイトシしてなにやってんの?」な醒めた観方ができてしまうのでやはり歳はとりたくないものですねえ、出演者も客も。 面白かったのは張本勲、小林繁の元プロ野球コンビが立派に「やくざ」してたことでしょうか。特に発声に難のある小林繁の台詞を極力削ってしまったのが成功です。張本勲の体格は無言の迫力があってグー。この成功に気をよくしたためか後に「最後の博徒」では、あの江夏豊を登用し「地獄のキューピー」という屈指のキャラクターを生んだのは有名な話。本作品にはほかに全日からグレート小鹿も参戦。 このほか元日活の葉山良二、元新東宝(ってのはどうかな?)の天知茂が顔出しして景気付けに一役かってます。小林稔侍は三国人やくざの役で「キューポラのある街」の市川好朗とともに活躍。東映東京も大挙出演のオールスタアやくざ映画。 (2002年08月18日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-06-22