ターン |
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■公開年度:2001 ■制作会社:バンブーピクチャーズ、衛星劇場、テレビ東京、アスミック・エース エンタテイメント ■監督:平山秀幸 ■脚本:村上修 ■原作:北村薫 ■撮影:藤澤順一 ■音楽:ミッキー吉野 ■美術:中澤克巳 ■特撮: ■主演:牧瀬里穂 ■寸評:強姦魔、臓器売買、暗殺者、そんな北村一樹に注目しましょう。 |
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売れない銅版画作家の森真希・牧瀬里穂はある日、画材の買出しに出かける途中で交通事故に遭遇します。意識が回復した真希は、事故の瞬間からまる1日前の24時間を永遠に繰り返す無限地獄にハマリます。 地獄ったって鬼も閻魔様もいなくて、それどころかまったくの日常の風景に「生きているもの」が皆無というとても不思議な世界です。半年ほどたって真希は半ば夢でも見ているのではないかと思いつつも現実(真希にとっての)を徐々に受け入れ「こっちの世界(つまり彼の世)」で生きていくことにあきらめと絶望を感じはじめています。 ある日、「あっちの世界(この世)」で真希の作品に興味を持ったさえない青年、泉洋平・中村勘太郎がかけた1本の電話が真希のところへかかってきます。夢中でその電話に飛び付いた真季は今まで自分の身に起きた事を夢中で説明します。興味を持った泉のおかげで真希はもう一つの世界で自分がどうなっているのかを知ります。 電話はたしかにかかってきているのに、真希の母親・倍賞美津子には娘の声が聞こえない、真希にも母親の声が聞こえない、でもお互いに感じあっています。レストランや植物園で「デート」する泉と真希、二人は時空が違ってしまっているので見えないのですが、確かにそこで出会っていて幸福な気分になっています。会っているのに見えてない、喋っているのに聞こえていない、現代人の孤独感を刺激しまくるところですね。 まず驚いたのは牧瀬里穂と中村勘太郎の年齢差が10歳だってことです。「東京上空いらっしゃいませ」の頃は下っ腹と足首のぶっとい健康的な少女だった牧瀬さんがいつのまにか、、、時の経つのは早いものですねえ。 しかしディジタルエフェクトってホント、いいですよねえ。無人の東京なんてオプチカルで作ろうっても、ジオラマかあ?ってかんじでね。ルーカスも言ってましたけど「ヨーダがチャンバラするなんて想像もしなかったよ」ってなわけで、映画って科学技術無くしてはそも存在しませんからね。電気がなけりゃ見えないっすから。ホント、感激です。だからって背景のマンションの窓一つ一つを凝視して「アラさがし」してる自分がイヤになるんですけどね。 「無人島に流れついてやっと出会った船が海賊船だったっていうこともあるから」という台詞には味わい深いものがあります。作者の北村薫は「時と人」というテーマで三部作を発表していてこれもその中の一つですが「ロビンソン・クルーソー」と自分の状況を比較するところがよく出てきます。この主人公も「孤独だが生活に困らない」のは彼よりマシ、でも記憶や経験は残るのに未来の無い、つまり希望の無い自分を彼に比べて悲劇であると号泣します。 見ているほうは己が人生に鑑みて深く感じ入るところ多です。 所帯臭い女優二人が大活躍する超駄作サスペンスドラマ「リミット」で、子供の臓器売買くらい全然平気な役どころを演じて注目され、本作品では天使の顔つきで近づいてくる悪魔のような柿崎・北村一樹。残忍で冷酷でしかも美形。キワモノでもうけ役だった部分を割り引いても、万事ほんわかムードの本作品にスパイス役として大いに存在感をアピールしていたと思います。 限定された登場人物に集中できるので2時間近いですが最後まできちんと見れました。映画的には、電話が途切れてしまうシーンがイライラするほど稚拙だったり、台詞が学芸会みたいなところがありますが、気にしないようにしましょう。ただラスト1分、削っていただけたら余韻がふかーくなったかも?な気はしますけれども。 泉の上司に柄本明、画廊の主人に小日向文世、「キッチン」の川原亜矢子、近所の奥さん役で松金よね子。 (2002年08月04日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-06-21