たどんとちくわ |
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■公開:1998 ■制作:GAGA ■製作:山地浩 ■監督:市川準 ■脚本:市川準 佐藤信介 (たどん) NAKA 雅 MURA (ちくわ) ■原作:椎名誠 「たどん」「ちくわ」 ■撮影:小林達比古 ■音楽:板倉文 ■美術:間野重雄 ■主演:役所広司(たどん)、真田広之(ちくわ) ■トピックス:R指定映画。 |
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二部構成の第一部「たどん」。 タクシーの運転手、木田・役所広司は毎日、いろんなお客さんを乗せています。ワケありの気なカップル、着ぐるみ女・桃井かおり、葬式帰りの二人・太田光、田中裕二(爆笑問題)、それぞれ勝手なことを言い、生意気な口をきくヤな客もいて、概ね木田の日常にはストレスが溜まっています。 ある日、女房にビンタ食らった風采のあがらない男の客、安西・根津甚八が職業を「たどん屋」と答えたことから、木田の自制心は崩壊してしまいます。二人は人気の無い堤防へ、そこで木田から「たどんを作れ」と命じられた安西の運命は、、、。 第二部「ちくわ」。 売れない作家、浅見・真田広之はなぜか「ちくわ」にこだわります。やっとこさ自分の著書をおいてくれた飲み屋の主人、富山・田口トモロヲの店でなんだかよくわからない「創作ちくわ料理」を食べた浅見は、クーラーのぶっこわれた蒸し暑い店内で精神も壊れてしまいます。 店を飛び出した浅見と、田舎のホテルにたどりついた木田は偶然に出会います。 こういう話が分かれてて後で合流というのは、それなりに互いのストーリーが絡み合ってて初めて面白いんだろうな、と思うのですが、本作品はそういうのがなくて、なんとなく最後に合流するだけなので、だからどうしたの?という不完全燃焼のまま終了してしまいます。 役所広司と真田広之は今もっとも「陰湿に壊れやすいオジサン」俳優。 「たどん」も「ちくわ」もともに「練り物系」なのでぐっちゃぐちゃ、てことですか? オヤジが壊れると言えば「フォーリング・ダウン」という名作がありますが「やっぱアメリカ人って馬鹿なんだっ」という自明の理を豪勢に金かけてバカすか見せていただけると大変に飲みこみやすいわけですが、本作品のようにおでんの鍋に男性自身を入れて(あ、熱くないんでしょうか?)大笑いというオゲレツなのとか、ソ連製の拳銃隠し持ってて「おまえはタクシードライバーかい!(そうだけど)」とか、サービスなのかなんなのか、意味不明なまま映画は青い空と海で終了してしまいます。 ビジュアルとしては、七色の血が大洪水、アクションスターの「昔取った杵柄」、真田広之の大量殺戮シーンはなかなか、やっぱ俳優は「肉体労働者」だなあということを再認識させてくれたので面白かったのですが、田口トモロヲにも見せ場をあげないとなんだか「俺にも暴れさせてくれえ!」と叫んでいるようにしか見えないのですが。たとえば一人だけ血が黒いとか、実は血じゃなくて機械油だったとか、それじゃギャグですが。 ま、いずれにせよこの作品以降、某社のCMでやたらと絶叫する滑稽なサラリーマンを演じるようになった真田さんの原点がコレってことになると思います。 とまれ、シンミリ&やるせない、ソフトなイメージだった市川準監督的には目新しさ満載な野心作ですが、どっこい世間的にはよくある映画だったんじゃないのかしらね?いう感じです。ソフト、といえば飛び散る七色の血がパステルカラーだったこと。 (2002年06月23日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16