千里眼 |
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■公開:2000年 ■製作:東映、小学館、小学館プロダクション ■製作:佐藤雅夫、山下暉人、八木正男 ■監督:麻生学 ■原作:松岡圭祐 ■脚本:時中進、松岡圭祐 ■撮影:加藤雄大 ■音楽:千住明 ■美術:稲垣尚夫 ■主演:水野美紀 |
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この映画は1999年東宝(TBS)制作の「催眠」とキーワードは共通していますが続編でも何でもありません。再利用できないシャシンとVテープの区別がつかず撮影半ばでフィルムを使いきるというドンブリ勘定・落合正幸が上層部から嫌われたためか、はたまた勝利の方程式に当てはまらなければジブリだろうがあっさり捨てる(例「となりの山田くん」)というビジネススタンスのゆえか、今回の制作は「営業の東宝」ではなく「現場の東映」(他意はないので当事者の皆様は聞き流していただければと思います)です。 「催眠」で謎のまま終わった「ミドリの猿」が組織が世界征服を企みます。 在日米軍の中枢部にあっさり乱入しミサイルの自動発射スイッチをオンにした精神錯乱男・田口トモロヲ(「プロジェクトX」以外はこんなんばっか)を説得するために千里眼と呼ばれる精神カウンセラーの友里佐知子・黒木瞳が米軍の要請を受けて到着、前夜のミサイル誤爆事件の調査のために自衛隊幹部・根津甚八が連れてきた女性自衛官、岬美由紀・水野美紀とともに男が設定したパスワードを聞き出そうとして失敗、男は自殺しますが、周りでワイワイやるだけの馬鹿な米軍人を尻目に美女二人の活躍でミサイル発射は阻止されます。 友里に心酔した岬は彼女の診療センターを訪問、そこでカウンセリング用のCDをお土産にもらいます。岬はセンターで出会った「自分を現職警官だと思いこんでいる男」蒲生・柳葉敏郎に出会います。同じく患者として来ていた少女、えり・五十嵐瑞穂と知り合った岬は東京湾観音に向かっていました。 しかしよくロケを許可しましたよね、東京湾観音。それと在日米軍に怒られちゃいませんかね、あんな馬鹿ばっかだと思われたら困るでしょうが、安保だって別の意味で不安だし。 ロボトミー手術とか極東の島国を舞台に世界征服だなんて、21世紀になって70年代のテレビヒーローものの悪者じゃあないんだからさあー、って気もしますがまあそのへんは勘弁してやってください、「ミドリの猿」って実は全世界組織らしいんで。そんな小さなところでツッコミ入れてたらもう全編ツッコミどころ満載なんですから疲れちゃいます。それに作ってるのは東映東京でしょ?もうミドリの猿のアジト(こう呼んじゃいますけどね)なんて、セットのちゃっちいところを隠すために照明落としたショッカー基地みたいですもん。 一応、原作者の方はクセのある本職の方ですから「催眠を誤解しないでください」って仰るわけですけど、大型拳銃でテメエの頭ぶち抜くわ、ダイナマイトで火だるまになるわで、どこが「誤解」なんだかさっぱりわからないオチになってんですから、見てる方はどうしていいのかわかりません。 でもって見どころはやはり「水野美紀のクンフー」ってことでしょうか、ワイヤーアクションばりばりの。「マトリックス」見た人はさらなる爆笑必至ですけれど、やはりその、志穂美悦子さんのような健康過ぎる方よりも、一応、スレンダー系美女がかます回し蹴りとかは見栄えがしようというものでしょうか。また、屈強な悪の手先が繰り出す強烈なキックをボディーに食らい悶絶するヒロインというのもある種の方々には魅力的かもしれません、て言うか、これってそういう映画だったんでしょうかね? ないよりマシですけどね、見どころは。それより黒木瞳さんとキャットファイトやったらそらもう盛りあがり放題だったんじゃないかと思われますけど、重ねて、これってそういう映画じゃないと思うんですけどね。 そんなこんなでパブリシティ見てるとどうしても前作「催眠」と比べちゃうんですが、そもそも田口トモロヲが頭ぶち抜くのと、宇津井健のソレとはインパクト違いすぎでしょう?宇津井さんなら確実に死にそうですが、田口トモロヲの場合はいくらでも蘇生するでしょうし、脳みそ丸出しで。それに前作の主演である稲垣吾郎、菅野美穂というコンビは、前者はアイドルで後者はもうこの種の映画の女王って感じで公開する前からアタリが見えるじゃないですか。 比べて本作品のほうは、出演者の市場価格もそれほどのものは感じないし、少なくとも若い客層とマッチしてるとは思えないし、実際、かなりチープな「マトリックス」みたいな「Xファイル」みたいな、流行モン混ぜて一丁あがり、みたいな感じでどうにもこうにも、でした。 しかし何ですね、とうとう根津甚八も体制側の人間やるようになったんですね。凛々しい制服姿見ていて思わず「だいじょうぶマイフレンド」思い出しちゃいました。 (2002年05月19日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16