発狂する唇 |
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■公開:2000年 |
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発狂する「唇」は上と下、、あ、マジで下品?ってそれくらい言っちゃっても全然平気なんじゃないかと、思わせてしまうような映画なので、あしからずご了承を。 倉橋家には今、大変な災難が降りかかっている。そもそも死んだ父親って言うのは死刑囚だし、行方不明の長男、美智雄・鈴木一真は女子中学生シリアルキラー(しかも死体の首は切断)として指名手配中、母親・吉行由美は淫乱で、長女・夏川ひじりはド淫乱で、次女の里美・三輪ひとみだけが、健気でマトモ(途中までは)。 かと思ってたら、里美が霊能力者・由良宜子とその助手・下元史郎の事務所を訪ねたあたりからこの映画は単なるオカルト映画から、スプラッタ(ゲロ含む)・エロ・ミュージカル・バイオレンス・カンフー映画へと徐々に変貌を始める。 おまえは石井輝男か!?>佐々木浩久&高橋洋 惜しむらくは最初から観客を置き去りするテンションの高さと馬鹿馬鹿しさが商業映画とは思えない、言わば祭りのようにはじける石井輝男のような真性の狂気が感じられないところである。徐々に、っていうのがインディーズの説明口調を感じさせてしまう、実に惜しい。こうした弱点をクリアするとともに、単に綺麗な女にゲロ吐かせたり、強姦したり、血まみれにしたりっていう素人芸をさせるだけでなく、「おまえ、このクソ忙しいのに何言ってんだ!?」的な大人の会話が加味されていればもう、筆者は大満足であったのに、いや、実に惜しい。 さて、本題。 昨今のホラー映画は怪談映画ではなくオカルト映画である、ということをさらに煎じ詰めてしまうとここまで馬鹿な映画が出来あがってしまうんだと、一言で言えば筆者にとってはそういう映画。トビー・フーバーの低予算ホラー映画の大傑作「悪魔のいけにえ」を日本でやらかしたようなそんな感じ、ただしこっちは個人技ではなく集団、かつ、電ノコじゃなくて斧なので、飛び散らないけど刺さりまくる。 何にでも出る大杉漣が演じるFBIの大佐。有能なんだかボケてんだかイマイチよくわからないけどたぶん馬鹿なんだろうな、と思わせるFBIの敏腕捜査官・阿部寛。その相棒のルーシー・栗林知美。キャストも面白いがロケがどこぞの裏山と、住宅セットで完了という貧乏臭さが、これまた、たまりません。悪徳刑事の諏訪太朗もいい味わいだが、難を言えばリポーターの並樹史郎、あなただけは普通で良かったんじゃないか?そう、石井輝男の映画における吉田輝雄の「異常な普通さ」を期待していたのだがなあ、ってそういう期待するほうが悪いかも。 それでもなんでも面白いのは、とにかく徹底的だってこと、そしてやってるほうが捨て身だったこと。久々に客のために体を張る映画を堪能、ごちそうさまでした。 (2002年04月14日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16