ひみつの花園 |
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■公開:1997年 |
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別に憎たらしくは無いけれども子供らしくも無かった鈴木咲子・西田尚美は金勘定をするときだけ子供らしい顔になるという、私が親ならばその将来に不安を抱かずにはおれないような娘でした。デートに費やすお金を現金で欲しいと言って男にフラれてからは恋にも見放され、学校卒業とともに銀行へ就職します。 所詮他人のお金をいくら取り扱っても楽しくないと悟った咲子はある日、銀行強盗に人質にとられてしまいます。強盗犯人たちは富士の樹海で事故り、彼女は強奪された現金5億円が入ったスーツケースとともに濁流にのまれてしまうのでした。 世間ではすでに5億円は犯人モロとも焼失したと思われていることを知った咲子はとりあえず両親・鶴田忍、角替和子、妹・田中規子とともにスーツケースが沈んでいる場所を探しますがなにせ相手は自殺したくなくても結果的に踏み迷って死ぬかもしれない樹海なので結局はくたびれもうけしただけでした。 映画はここから加速度的に破天荒になっていきます。樹海の権威である大学教授・内藤武敏の存在を知った咲子はさっそく猛勉強を開始、教授のいる大学に補欠入学を果たし、有り金はたいて調査機材を購入、以降は助手の江戸川・利重剛の協力と江戸川の恋人だった弥生・加藤貴子の横恋慕をものともせず、ロッククライミング、水泳、運転免許、と次々に免許と技術を取得します。 金のためならなんでもやるさ、なんて言うのはたやすいですが実際にやるのは大変。こうした小市民のささやかな、かつ下世話で素直な欲望を小さな身体と地味な顔にもかかわらず、フルスイングで成し遂げてしまうヒロインのヴァイタリティ−には心から共感せざるを得ません。 インディーズ映画の特長として意味不明のままシークエンス毎に表現がより過剰に、かつ過激になっていくストーリー立てというのがありますが、本作品はそれを費用と手間かけてやりまくりますから面白いに決まってます。まるで平成の「大冒険」みたいな馬鹿っぷりですが何事にも一生懸命というのは見ていて大変に清々しいものですね。 でもってその5億円はどうなったのか?というのはネタバレですから見たい人だけ[彼女は五億円のスーツケースを誰にも知られない秘密の場所へ放り捨てます、つまりそこが本当のひみつの花園] そして咲子のあくなき金への執着心はバミューダ海域へと飛翔するのです。 エネルギッシュなヒロインに対して万事、時間がゆっくりと流れる内藤武敏の浮世ばなれした先生がさらにステキ。とことん悪人が出てこないドタバタコメディー映画。 (2001年12月13日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16