密告(たれこみ) |
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■公開:1968年 ■制作:東映東京 ■企画: ■監督:瀬川昌治 ■助監: ■脚本:瀬川昌治、永井素夫 ■原作: ■撮影: ■美術: ■音楽: ■主演:安藤昇 ■備考: ネタバレあります |
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小兵対決。体力よりも知力で勝負? 相良組の組長、相良・安藤昇は8年前、仲間の花村・南廣、井沢・木村功とともに、大場組の組長、大場・安部徹の依頼で悪徳土地ブローカーの塚本・沢彰謙を暗殺しました。しかし直後に相良たちは何者かに銃撃されたうえにあっさりと逮捕されてしまいます。刑期を終えて出所した相良は、堅気になっている井沢の世話で昔の女、みや子・沢たまきのところへ行きます。しかし彼女は大手商社の重役・佐竹明夫の妾にトラバーユしていました。 この重役ったらインテリのくせにものすごくジャンボなお色気を振りまく奥様・八代万智子がありながら、なおも他所の女に手を出すという見かけによらないドスケベ野郎だったので、相良がみや子を囮にして呼び出すとホイホイひっかかるのでした。 なんであんなタイミング良く警察が駆けつけたのか?仲間を殺した犯人は誰か?を主人公が追い詰めていくわけですが、んなもん木村功に決まってんじゃないの?と初手から確信する観客がほとんどであろうと思います。 本作品から東映のやくざ映画臭さがあまり感じられないのは、冒頭、ム所帰りの相良を乗せたタクシーの運ちゃんが関敬六だからでしょうか?ってそういうんじゃなくて、つまり、いかにも「東映のキャラクター」ですよ!ってのが安部徹くらいしか出てこないからでしょう。若い衆の中に、どこにいても目立つ長身の土山登士幸や山浦栄がいるので、かろうじて「これって東映東京なのだなあ」と分かる程度です。 一度は事件の黒幕と思われた大場が殺され、手がかりを失いかけた相良ですが、土地取引のカラクリを記したブローカーの手帳をみや子からゲットして、大手商社の社長、木島・岡田英次を脅迫します。裏切った償いをしようとした井沢が死に、相良は木島から金を強請り取った上に自殺へ追い込むのでした。 「北陸代理戦争」では人を土中に首だけ出して埋め、その上をジープで通過してクラッシュすると言うものすごい殺害方法を考案した東映ですが、今回は安部徹の腹の上を、もちろん本物じゃないですけど、トラックのタイヤがじっくり乗り上げてさらにパワーショベルで砂利ごと持ち上げてそのまま埋めてしまうのです。 良い子のみなさんはくれぐれも真似しないでね。 渋谷に本当に存在した安藤組の組長、つまり元本職の安藤昇が孤独な復讐劇を繰り広げるかなりハードなドラマです。悪玉サイドにはビッコの殺し屋・高松英郎、無口な(て言うか台詞がほとんど無い)スナイパー・永山一夫、など渋い面子を揃えています。高松英郎の必殺武器が仕込み杖ってのもマニアックでいい味です。 派手で分かりやすい東映のやくざ映画の雰囲気を期待しているとかなり難ですが、生活感のある人間ドラマに重点を置いた渋さが堪能できる異色作品です。いつもは目が合っただけで「てめえ殺す」という台詞しか出てこないようなオッカナイ役どころの安藤昇が子供と遊んでいるとき本当に優しい表情になるのでしっかり見ておきましょう。 瀬川昌治監督といえば「喜劇××列車」というくらいで、東映でヒットさせた同シリーズを、松竹でなおもしぶとく「喜劇××旅行」シリーズとして継続させた喜劇一筋の人ですが、アクション映画はほかに「暗黒街シリーズ 荒っぽいのは御免だぜ」(1967年/東映京都/鶴田浩二・主演/井出俊郎、野上竜雄・脚本)があります。こちらも復讐がテーマでした。 喜劇の監督だから、安藤昇がトンでもないことでもやらかすのでは?というのはこちらの先入観で、地味だけど安藤昇も無理やりなくらいキャラが立ってるドラマ性重視のやくざ映画でした。おかげで色っぽさとイキオイのほうは50%減です。 ほかに、木村功の奥さんが北林早苗、ストリップ小屋にたむろするチンピラに若い頃の小林稔侍がいて、ちょっと足りない常田富士男とともに安藤昇にボッコボコにされてしまいます。川谷拓三さんがいないとき、または、いたとしても何気に目立ちますねこの人は。 で、なにが「小兵対決」なのかと言うと安藤昇と岡田英次のことです。大体の昭和の二枚目って小柄なんですが(除:日活アクション映画)つまりこの2人は両方とも二枚目なんですよね、それでかなり小柄。だけどなぜか岡田英次は東映でロクな扱いされませんでしたね、気の毒に。 (2001年07月19日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-06-12