俺たちの血が許さない |
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■公開:1964年 |
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単純明快を絵に描いたような高橋英樹が出てるから、だけではなく、実はこの監督の日活時代の作品は、話そのものは結構普通でヒネリがなく時折、そのビジュアルセンスにおいて(美術・木村威夫)ハッとなるような煌きがトラウマになるほど鮮烈だ。 本作品における鈴木清順監督の映像実験は、兄弟が住んでいる界隈の空にカラーフィルタを被せたような効果を見せたり、兄弟二人がまるで海の中を車で走っているような不思議な空間を演出したり、と見せ場がある。 昔気質のやくざ組長は襲撃されたあと虫の息で、妻・細川ちか子に息子二人には真っ当な道を歩ませるように言い残して絶命。 長男の良太・小林旭はやがて親と同じ稼業になり、次男の慎次・高橋英樹は宣伝会社に就職している。生真面目で親孝行の良太に比べて、あまり物を考えない性質の良太は社員旅行で暴力沙汰を起こし会社をクビになってしまう。 良太がマネージャーをしているキャバレーのオーナー、難波田・小沢栄太郎は、優秀過ぎる良太の目付け役に愛人のヤス子・松原智恵子を秘書として送り込んでいたが、ヤス子が良太に本気で惚れていることを知ると彼女を殺し、良太も抹殺しようとする。 物事を突き詰めて考える小林旭と行き止まりの人生に押しつぶされた松原智恵子、脊髄反射だけで生きているような高橋英樹と常に前向きな長谷百合、二組のカップルの対比が鮮明だ。 この映画の見所ってそりゃやっぱ小林旭に決まってるジャン!高橋英樹も好きだけど垢抜けないから、筆者的にはイイ奴だけど恋人にはなれないわ、って感じ。 悪ボスにたぶらかされそうになる弟を救おうと土下座までする兄・良太が弟に悪態つかれて去られたときに「疲れた、、」って初めて弱音を吐くんだけど、いいねー、こういう強い男がふと見せる弱さに母性本能は弱いのである。 映画のラストではじめて母親に「甘える」良太の姿にも泣ける。水盃のシーンも良かったけど、ちょっと長いのが難かもね。 (2001年02月13日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16