洗礼 |
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■公開:1996年 ネタバレあります! |
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ピアノが上手な中学生、若草さくら・今村理恵はめちゃくちゃ可愛い。彼女は、顔に痣があり足の悪い母親のいずみ・秋川リサに溺愛されていた。いずみはさくらの顔に毛ほどの傷をつけた相手にビンタをくれるほど激昂することがあった。 バタ臭い顔のピアノ教師・田子千尋は、身重で金に意地汚くおまけに嫉妬深いという3重苦を背負った妻・網浜直子にたきつけられいずみとさくらが住んでいる豪華な洋館と遺産を手に入れるべく、さくらに接近する。 しかし、いずみが密かに企んでいた計画は、この夫婦の想像をはるかに越えていた。 かつて美人女優だったいずみ・吉田美江は足が悪くても仕事が休めず、クスリ漬けになったおかげで顔に醜い傷が出来てしまったことを悲観し、主治医だった外人さんに、秘密装置を作ってもらい、娘が成長するのをひたすら待っていたのだった。 そして美しく成長した娘と自分の脳みそを交換して、娘の若い健康な体を得て人生をやり直したいというトンでもない、かつ、遠大な計画を立てていたのだった。まるで「ヘンゼルとグレーテル」に出てくる魔女だね。 しかし血なまぐさい、かつ脂っこい映画だねえ。なんせ出てくる奴等がくまなくバタ臭いので見終わった後、はてこれはどこの国の映画だったっけ?という気分になること請け合いだ。 主演の今村理恵は安達裕美とかなり「かぶっている」キャラクターだが思いつめた美少女ほど怖いものはない。 映画のクライマックスは脳味噌交換装置の禍禍しさ。ちょっとギーガー入ってる感じのクラシカルはその物体は、かなりオーガニックなデザイン。 エイリアンの爪みたいのが出てきて、二人の頭をわし掴み、トマトのように頭皮をべろンと引ん剥いて、あとはキュルキュル、スッポーン!とまあ相当にグロいシーンであるがここんところがラストの大どんでん返しにつながるわけだ。 体は交換したけど、娘が得意だったピアノが弾けないとか、そういう能力面のことまで気が付かなかった間抜けなお母さんは、壁に投影した娘の学生証でサインをシコシコ練習する。あ、それって「太陽がいっぱい」のパ○リじゃん? この後、ピアノ教師夫婦の財産乗っ取り計画とか、さくらが強引に精神病院に入れられそうになったりとか、その病院の医者が原作者の楳図かずおだったり、そんな病院、さくらじゃなくてもゼッタイに入りたくない!ま、それはともかく謎が謎を呼んでどーなる?どーなる?というストーリーに思わず引き込まれてしまう。 ただし、これ、原作読んでない人に限る。 実はあの装置はさくらの妄想の産物であり、それはクスリで精神錯乱になった母親の影響だったというオチ。その後、改心したピアノ教師が精神病院に入ったさくらを助けようとするエンディングが続き、この手合いのスリラー映画にしては光明を見出して終わるのがちょっと珍しいかも。 ちなみに怪しいピアノ教師役の田子千尋は「スマップスマップ」でナレーターしてた人です。もっとワイルドな顔面想像してたんでかなり驚きました。あそこまでバタ臭い顔だと普通は生活感ゼロの役どころだと思いますが網浜直子と思いっきり所帯臭いキャラだったので大笑い。 (2000年08月05日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-06-01