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好色元禄(秘)物語


■公開:1975年
■制作:東映
■監督:関本郁夫
■助監:
■脚本:田中陽造
■原作:
■撮影:
■美術:
■音楽:
■主演:ひし美ゆり子
■備考:


 ひし美ゆり子は豪傑だ!

 畳の上に蛭が這いまわる赤貧長屋に育ったお夏・ひし美ゆり子、お七・橘麻紀。父親・北村英三は飲んだくれの棺桶職人、一応結婚しているお七の亭主、久松・川谷拓三はうだつのあがらない小間物やというお先真っ暗な一家だ。

 お夏は寺の住職・汐路章の愛妾で妊娠したと嘘をつき手切れ金をせしめてトンズラ。途中まで見送りに来た小坊主・山田政直はなぜかお夏に協力的。お夏がたぶらかした大店の若旦那・中林章が結婚すると聞いたお夏は店に乗り込むが父親の主人、忠兵衛・坂本長利に追い返される。

 純情なお七が久松に騙されて客・片桐竜次に強姦される。久松は金のためにお七を売ったのだ。ところがこの金を父親と久松が取り合って久松が父親を殺してしまい、それを見て逆上したお七が久松の腹を包丁で刺した。久松の死体を沼に沈めてくれたのは小坊主だった。

 久松の供養をするために「男千人とセックスする」という全国行脚を始めたお七は見事に満願成就する最後の一人が、死んだはずの久松だった。驚いたお七が大ハッスルしてしまったため久松はショックで腹上死。同じ人間を二度も殺してしまったお七は、生真面目な性格だったため今度は「男一万人とセックスする」という願をかけるのだった。

 その頃、お夏は若旦那に再びアタックして店の品物を無断で貢がせた。当然、厳格な父親の忠兵衛が怒鳴り込んできたが、それこそお夏にとっては飛んで火にいる夏の虫。極上のテクニックで忠兵衛はイチコロ、お夏は忠兵衛の後妻として大店の女主人となった。

 いやあなんて言うんですか?男って馬鹿ねえ、というため息混じりの感想しか出てこないのだが、どうよ?

 この姉妹は肉体を武器に、本能で生きている。特に姉のお夏なんか、若旦那の裏切りにキレて猛ダッシュするその躍動感がイイ。前がはだけて胸が出ようがなにしようが走る、走る。さすが体育会系の女優さんだ、色気はないがこういうの健康美ってヤツですね。

 本作品の見どころはこんな「元禄版・叶姉妹」だけじゃなく、実はストーリーには全然からまないところに存在する。

 お夏のパトロンの一人、喜兵衛・名和宏が、潮吹き花魁・窪園千枝子とのセックスシーンをスケベ絵師・笑福亭鶴光に画かせるシーンだ。

 ここで断言するが私は山城新伍よか名和宏のほうが好きだ、役者という範疇においては。二枚目だし、おまけに名和さんは真面目に演っている、にもかかわらず滅茶苦茶ヘンなのだ。計算づくでない馬鹿、これって最高っす。

 ホースでじゃんじゃん吹く大量の「潮」をタライでキャッチしようとしてずぶ濡れになる鶴光師匠、一体なんの意味があるのだろうかという観客を置き去りするぶっちぎり感覚、好きです。

 で、どこいらへんが「マル秘」なのかこうなるともうワケワカリマセンが、要するにこういうとんでもない事は書籍に残るわけがないから「マル秘」っちゅうことなんでしょうか。ところで汐路さんって入れ歯はずすとクシャおじさんになるんだなあ、ってそんないい加減な感想書いてどうするんだと怒られそうだが、ま、そういう映画なんです。

2000年10月08日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-31