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スタジオはてんやわんや


■公開:1957年
■制作:大映
■監督:浜野信彦
■助監:
■脚本:
■原作:
■撮影:
■美術:
■音楽:
■主演:オールスター
■備考:二匹目のドジョウはパワー2倍(当社比)


 大映のスタアかくし芸大会。

 これは大映のプロモーションビデオで実は2作目だ。最初に「スタジオは大騒ぎ」というのがあって、これがスタアかくし芸大会のような映画で結構ヒットしたもんだから、日本一のお調子者野郎、かつ怖いもん知らずの永田社長様がスケールアップして制作したのが本作品。こういう「イケイケ」なワンマンなら客は大喜び。

 大映の撮影所、東と西の大スタアが総出演。前作では出場のなかった、というか畏れ多くて出せなかった(?)長谷川一夫市川雷蔵が出ている。

 出演者はみな当人として出演するわけで、まずは東の撮影所の紹介から映画は始まる。

 イキナリ登場するのは根上淳、これは雑誌のインタビューというシチュエーションのようで、一応、バラエティーのハプニング的な演出を狙っているのだが皆一様に芝居がかっているところがちょっと恥ずかしい。

 そこへ船越英二高松英郎が通りかかり、スタジオ入りする京マチ子を出迎える。大映としては技術者の東宝に対抗して導入した新型カムコーダの紹介をぜひしたかったらしく、堂々大スタアにまざって紹介される。

 おお!見物客の群れの中にひときわデカイあの人が!田宮二郎が頭一つ抜け出てニコニコしている。なんかちょっと田宮さんたら心霊写真みたいで、ナンですけども、だって顔しか見えないんだもん。まだペーペーの頃でしょう?オマエでかいから後ろ行け!だったんだろうな、たぶん。

 さて次は京都だ。こっちへ来て、ようやくこの映画が「大映ファン感謝デー」みたいなイベントの準備でみんなワサワサしてるんだってことが判る。

 京都はすげえぞ!やっぱ日本映画の聖地は京都だね。

 豪華な車から降りてきたのは白塗りの勝新太郎。さっそく女の子にモーションかけちゃう。セットの中では長谷川一夫が息子の林成年とキャッチボール、ああこんな姿を拝めただけでも女性ファンの腰はとろけてしまうのでは?

 そうこうしているうちに、東西大映スタアのかくし芸大会が始まるのだ!

 船越英二と高松英郎の漫才、川崎敬三のドラムス(ちょっと冷や汗)と川口浩のマリンバ(結構上手い)によるデュエット、山本富士子黒河弥太郎(タキシードだぜ!)、品川隆二(歌がめちゃくちゃ上手い)、三益愛子の歌に続いて、市川雷蔵と林成年、そして勝新太郎の日舞。

 フィナーレは豪華スタアが長谷川一夫を中心に顔見せ。

 北原義朗菅原謙次、根上淳、品川隆二、市川雷蔵、勝新太郎、林成年、若手では杉田康酒井修、女優は山本富士子、中村玉緒、京マチ子、三益愛子、若尾文子八潮悠子藤田佳子浜世津子、これだけの頭数がズラリとそろう様は圧巻としか言いようが無い。

 ひとえに映画俳優が映画製作会社の専属だった頃の夢物語。何十回と無く迎えた市川雷蔵ブームに乗ってついうっかり発売されたビデオもあるぞ!当時の俳優図鑑としてぜひ手元に置きたいところだね。

2000年08月24日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-31