幽霊小判 |
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■公開:1960年 |
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街道を旅するいと・こい師匠(夢路いとし、喜味こいし)はお茶目な岡引と下っ引き。二人仲良く茶店で一休みしているとそこへ髪を振り乱した若い女、おふじ・三田登喜子が若い男・丹羽又三郎に追われて駆け込んでくる。 おふじと廻船問屋の主人、庄吉・鶴見丈二は祭りの夜に出会った。婚礼の最中、店の金が紛失する事件が発生。あわてて店を飛び出した庄吉は数日後、無残な死体となって発見された。 庄吉の死後、見たこともない若い男が自分は庄吉であると名乗っておふじの前に現れる。使用人や懇意にしていた網元・清水元までが彼を小吉だと言い出す始末。事情を聞いたいと・こい師匠はおふじの家に泊まりこんで偽者の証拠を探し出すことに。 おふじは与力の鳴海・島田竜三に頼み込み、庄吉の妹・お咲・美川純子に証言を依頼するがお咲もその若い男を兄だと言う。困惑したおふじは鳴海とともに庄吉の墓を掘り返すがそこにあるはずの死体は無くなっていた。 やがておふじの前に死んだはずの庄吉の幽霊が現れる。怯えたおふじは寺の和尚・荒木忍と庄吉だと言い張る若い男を対面させる。和尚は若い男は庄吉ではないと断言したが、肝心の死体が無くては証拠にならない。与力の鳴海とおふじは必死に死体を探すが、、、。 ここまで聞けば、丹羽又三郎と関係者がグルになり庄吉の身代を乗っ取ろうとする作戦だな、と思うわけだが、その予測は甘い。まず本作品が、大映に移籍した丹羽又三郎の主演デビュー作であることを見逃しちゃいけないのである。 確かに丹羽又三郎の顔はとても怖い。ブサイクでホラー的に怖いのではなく、やたらと整った造作の上にメリハリが効きすぎているからで一歩間違えるとサイボーグのような雰囲気すら漂うからだ。そこいらへんに目をつけた東映は後年、仮面ライダーシリーズの悪役として丹羽又三郎を起用する(他に千波丈太郎など)のであるが、この作品を見ていてもその片鱗はうかがえる。 善玉でも悪玉でもイケる色男、丹羽又三郎のキャラクターはこの映画の最大のキーワードとなる。 金を持ち逃げしたらしい手代は庄吉が葬られた寺の寺男として再就職していた。つまり坊主とおふじと与力がグルになって庄吉暗殺を企んだわけで、あやうく殺されそうになった庄吉が自分が死んだように見せかけて偽者を送り込み真犯人を追い詰めて尻尾を出させようとしていたのだった。 若い男の正体は江戸町奉行所の与力だった。とんだ狂言回し役だったいと・こい師匠も協力して悪党どもは一網打尽、大団円。 と、安心しているとトンでもない大物ゲスト、○○雷○が登場!って全然伏字になってませんが。これって雷蔵ファンの間では結構有名なゲスト出演、ま、声だけの「化け猫御用だ」よりかは顔が出るぶんオトクだよね。 いと・こい師匠の呑気なあちゃらかに退屈しかかる中盤以降は大どんでん返しがお楽しみの本格的なスリラー映画。ラストの大物ゲストはストーリーに没頭した後なので思いっきりインパクトあり。 (2000年07月15日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16