不良番長 猪の鹿お蝶 |
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■公開:1969年 |
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克美しげる。かつては「エイトマン」の主題歌で有名(てかコレしか知らないんだけどさ)だったが殺人事件の犯人として逮捕され服役、釈放後、カラオケ教室の先生だかをする傍ら、薬物に手を出して再逮捕。最初の事件のとき、レコード屋さんでバイト中だった筆者は店長さんから「朝、自宅に電話があってな、開店前に克美しげるのレコードを全部棚から外せって言うんだ。発売中止ってことだよ。」と言われた。そうかと思うと、石原裕次郎が死んだときには、石原裕次郎コーナーを作り、レコードからカセット(当時)から店長がひっかき集めてワゴンで売った。商売と言うのはそういうものらしい。 特別少年刑務所に収監されていた不良番長・梅宮辰夫、克美しげる、千葉真一、菅原文太らは、残忍な看守、閻魔・沼田曜一に対しては徹底的に反抗していた。 出所後、いんちきタレント養成所などを鈴木やすし、団巌、左とん平、谷隼人たちと開業した不良番長は、そこで因業な兄貴分に裏切られた千葉真一や菅原文太と再会する。 千葉の借金を返済するため、暴力団の賭場に乗り込んだ不良番長はそこでイカス女侠客、猪の鹿お蝶・宮園純子に出会って意気投合、いかさま賭博を見破ってテラ銭を強奪する。後を追ってきたのはかつて少年院で不良番長の脱走計画を看守にチンコロ(密告)した曽根晴美と、暴力団にトラバーユした沼田曜一だった。 ひょんなことから広域暴力団組長・河津清三郎の恐喝ネタとなる書類を手に入れた不良番長は、ハイミスの経理係・三原葉子を抱きこんで反対に河津を強請ろうとするが、三原と友達だったお蝶ともども曽根に誘拐されてしまう。 河津と組んでいた総会屋・水島道太郎は、三原とお蝶を逃がすために河津に捕らえられた克美しげるが行方不明になった息子だと分かると河津を裏切って克美を逃がそうとしてくれるが二人とも殺された。 不良番長が根城にしてた自動車整備工場に爆弾自動車が仕掛けられ工場のオヤジと仲間の夏珠美が殺される。不良番長チームに千葉真一、菅原文太も加わって、ついに暴力団との全面戦争の火ぶたが切って落とされるのだった。 時代劇のオールスター映画と言えば東映京都では「忠臣蔵」が定番ですが、現代劇(かつマニアックな作品)中心の東映東京では「不良番長」がソレだったようですね。 この頃はまだ不良番長はそれほどおちゃらけてません。ま、しいて言えばモダンバレエを教える梅宮辰夫の下半身がぴちぴちのタイツで大笑い、くらいなもんでしょうか。 そうそうこの映画はものすごくマニアックなんですよ。お蝶が投げる花札手裏剣が敵方の眼にグッサリ刺さって大流血、とか。エグイなあと思ってたら助監督が山口和彦でした。 例のごとくコメディリリーフは由利徹、大泉滉がいないのが寂しいですが、怪しい香港人として人身売買目的で来日しますがジャパニーズマフィア(やくざ)の圧倒的な暴力にビビって逃げ出します。由利の師匠が出たら客は一気にお笑いモードに入ります、それはお約束というのではなく脊椎反射の領域です。 そしてもう一人、観客の脊椎に恐怖刺激を与えるのは沢彰謙。日本映画史上最も怖い顔は誰か?という質問に文句無くするするっと上位に食い込む可能性が大な人。今回も不良番長を痛めつけるドやくざで大活躍。 「仁義なき戦い」同様、前作で蜂の巣になったりダイナマイトで吹き飛ばされても「よお!兄貴」の一言でいとも簡単に復活してしまう不良番長シリーズ。しかし今回は克美しげると水島道太郎が親子だったという仰天事実、のち、玉砕というマジで泣けるシーンもご用意、お得です。 (2000年05月06日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16