「日本映画の感想文」のトップページへ

「サイトマップ」へ


城取り


■公開:1965年
■制作:石原プロ
■監督:舛田利雄
■助監:
■脚本:池田一朗、舛田利雄
■原作:
■撮影:
■美術:
■音楽:
■主演:石原裕次郎
■寸評:石原裕次郎 対 近衛十四郎!


 石原裕次郎と近衛十四郎の世代間抗争がみどころ。

 関ヶ原の合戦直前、諸大名が徳川側に従おうとしていることに反対し、主家である小早川家を飛び出した凄腕の浪人、車・石原裕次郎は、同じく徳川に反抗する会津の上杉景勝のもとに旧友の左内・千秋実を訪ねて行く。

 徳川家康が上杉討伐の兵を繰り出そうとしていたとき、上杉領の背後にある伊達家が国境に出城を作りプレッシャーをかけてきた。上杉家の直江山城守・滝沢修に、落とした出城の城主になる約束を取り付けた佐内は車とともに国境を目指す。

 途中で知り合った山賊、彦十・石立鉄男、巫女のおせん・中村玉緒、白粉屋・芦屋雁之助らとともに、築城のためにかき集められた人夫の結束を実現した車は、左内から上杉家の加勢がすぐ傍まで来ていると知らされる。

 出城の責任者は伊達家の用人、刑部・近衛十四郎とその腹心である典膳・今井健二。刑部は盲目の一人娘、摩耶姫・緑魔子を掌中の珠のように大切にしている。

 いよいよ車の作戦が展開される。城の内外から攻められた刑部は典膳に娘を託し陣頭指揮をとる。典膳は刑部の影武者として車に討たれ、引き換えに摩耶姫を逃がす。ついに刑部との一騎打ちを迎えた車は壮絶な対決の末に刑部を倒し、奪った城を左内に任せて再び旅に出る。

 盟友に千秋実、宿屋のおやじに藤原釜足、それに殺陣を東宝七曜会に依頼、とくればこりゃ黒澤映画でショー、ってかんじの時代劇映画。味方の大軍勢に見せかけるための奇策、多彩なキャラクターが徐々に集まってくる展開、この映画がかなり「七人の侍」を意識しているのがよく分かる。

 一番の見どころは、偉大な青春スタアの石原裕次郎とチャンバラの神様である近衛十四郎の対決だ。ま、はっきり言って見なくても予想できちゃうんだけど、チャンバラというモノサシで比べたら裕次郎にハンデやんなきゃカワイソーでしょ?そこで監督は考えたわけだ。

 殺陣の時、腰高で、どーしても両足が揃ってしまいモタモタする裕次郎をどーやって剣豪に見せるか?

 長年の友である監督様が考えた秘策は、な、なんとフィルムのコマ落とし!なんじゃそりゃ?的テレポーテーションでもって裕次郎は近衛十四郎に辛勝するのである。もうこうなりゃ漫画であるが、それくらいしないと相手が裕次郎だろうがなんだろうが手加減ゼロの近衛先生の超美技にはたちうちできんわな、なので許してあげませう。

 意外なほど好漢だったのが今井健二。残忍なキャラクターやらせたらたぶん日本一なんだけど、本作品ではお姫様を命がけで助ける武将役。ずいぶん大事にされてンなあと思ったら、この役、実は宍戸錠のために準備されていたらしい。けど実際、今井健二で良かったんじゃないのかな?だって珍しいじゃない?こういう役どころって。

 万事、黒澤時代劇っぽい中で、城を奪うために若い男衆に対して中村玉緒が「私たち若者が立ち上がらなければ駄目よ!」という台詞で口説くところが、集団よりも個人のアイデンティティを重視する日活的だと思った。

2000年06月25日

【追記】

※本文中敬称略


このページのてっぺんへ

■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-16