喜劇 セックス攻防戦 |
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■公開:1972年 |
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二枚目俳優には避けて通れないツライ関門がある。それは加齢による容姿の衰えというモノで、女優においてはさらに顕著である。その時、脇役へ回るか、コンセプトを覆すか、判断を迫られることになる。山城新吾は後者を選んだ、そして新たな発展を遂げた俳優の一人である。 大阪出身、裸一貫で東京に進出し性感マッサージ&セックスカウンセラーというエロい商売で一旗あげようという山城新伍が、大人のおもちゃの訪問販売をしていた由利徹とコンビを組んで不感症や夫婦間のセックスに関する悩みを解決するドラマ。 デバガメでしか欲情できなくなってしまった夫・内田良平をなんとかしてほしいと頼みに来た妻・賀川雪絵。並のセックスでは感じなくなった夫・沢彰謙(うわっ)を浮気相手のパープー女から取り返そうと一念発起、セックスのトレーニングに励む妻・三原葉子(うわあああっ)、なんてえ夫婦だ。 そこへスケバン三人娘・集三枝子、渡辺やよい、杉本美樹が山城新伍を強力サポート。いかがわしい体位研究やレズビアンショーにも積極参加。 愛人11名プラス本妻1名にステーキレストランのチェーン店を各1店舗経営させている艶福家の社長・多々良純を性的不能に陥れて財産乗っ取りをたくらむ愛人が恋人の医者・丹羽又三郎と組んで暗躍。セックスカウンセラーとして社長の治療にあたった山城新伍は見事に社長を立ち直らせめでたし、めでたし。 山城新伍はピンの主役だと驚くほどつまらないタイプですが、その分まわりがぐっと輝くので見るほうとしては大満足です。中でもズベ公の集三枝子は意地汚い悪役の丹羽又三郎の大事なところを思いっきり蹴飛ばし「オマエなんか役に立たなくなったほうがイイんだよ!」と胸のすくようなタンカを放ちます。 丹波哲郎からダンディズムを差っ引いてサーヴィス精神をグンと割増した感じの内田良平は「全日本ノゾキ連盟」所属というトンでもない人。しかもそのユニフォームは忍者スタイルであるという完璧なお笑いキャラクター、そして何より本人がノリノリという点に感謝いたしましょうね。 相変わらずの酷い目に遭いながら大活躍なのは由利徹。喜劇人がその生涯を「軽い」まま終えることの偉大さを体現した素晴らしい人です。軽く、しかも、ペーソスをたたえて観客へのサーヴィスを忘れなかった人、本当にいつみても素敵です。 三原葉子と沢彰謙の夫婦、ちなみに亭主の職業は因業な金貸しで屋号は「横島商事」。「ナニワ金融道」のセンスは東映発という厳然たる証拠と言えましょう。 (2000年05月13日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16