怪猫 からくり天井 |
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■公開:1958年 |
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先代城主、竜造寺家の又七郎・小柴幹冶は盲目だが碁の名人。かつての許婚、小夜・霧島八千代は目の見えなくなった又七郎に愛想をつかして現城主、鍋島肥前守・徳大寺伸の愛妾におさまっている。肥前守は短気な性格で、碁の指南役である又七郎との勝負に執念を燃やす。肥前守は身内の面前での勝負で劣勢になりキレた挙句に又七郎を手討ちにしてしまった。 悪家老・三島雅夫はお家乗っ取りをたくらむ親類筋の鍋島豊後・明石潮と結託して碁の勝負の際、わざと又七郎が置いた石を隠して又七郎を激昂させ肥前守の怒りを買うように仕向け、竜造寺家と対立させようとしていたのだった。 そうとは知らない肥前守は竜造寺家の取り潰しを命ずるが、正義派の家老、小森・月形龍之介に説得される。かねてより肥前守の気性を案じていた又七郎の母・鈴木澄子は又七郎の愛猫・タマに怨みを託して自害。 その夜から鍋島家の周辺に化け猫が出現するようになる。腰元が喉を裂かれた無残な死体で発見され、又七郎の幽霊が肥前守の寝所に現れ、さらにタマが変身した又七郎の母親ソックリの化け猫が大暴れするようになり、肥前守は精神的に追い詰められてしまう。心配した小森は高名な祈祷師を招いて又七郎親子の法要を催した。 化け猫騒ぎに乗じて城主を発狂させる狙いだった悪家老一味はあせったが、主人の怨念を背負った猫のタマは全然平気で再び城中に出没し又七郎をフッたビッチ女の小夜を誘拐して乗り移り、さらなる復讐をスタート。行燈の油をぺろぺろしているところを目撃した腰元を猫じゃらしで躍らせた挙句に鬼畜化してしまうのだった。 腰元が可哀相!真犯人は肥前守じゃないんだってば!とか思うわけだが、所詮、畜生は畜生レベルの知恵しかないと言う月形龍之介の言葉通り善悪の判断はタマには無い。ひたすら大好きだった主人とそのお母さんの言葉を信じて突っ走るのみ。 いよいよ発狂寸前になった肥前守は座敷牢に入れられるが小森が招聘した禅寺の坊主から魔よけをもらってメキメキ回復。お家乗っ取りの証拠は、小森の長男・南郷京之助の手によって暴かれ、悪家老一味は一網打尽。 主人の復讐のため多くの犠牲者を出し、お小夜の姿を借りたタマは神鏡の光と不動明王の炎に追われて弱ったところを大勢の侍に斬られて、又七郎親子の仏壇の前で息絶えたのを、又七郎の妹に発見され手厚く葬られたのだった。 「化け猫女優」と呼ばれて喜ぶ女優はいないと思うが、本作品の鈴木澄子はその草分け的な存在であるそうだ。 化け猫女優の特徴はその目にある。なんせ頭はざんばらのカブリモノ、顔は隈取りギンギンでなお闇に潜む猫のような眼光、でないと駄目なのだから。相当に目力の強いマスクでないと駄目、かつ、できれば顎の小さい美形でなければならぬ。そうねえ現代で言えば浜崎あゆみあたりが適役か?(あゆみファンのみなさまはくれぐれも当サイトへはお越しになりませんように!言われなくても来ないと思うが) 死ぬ気で突っ込んでいったタマの健気さに最後はちょっぴりホロリとさせられる。死体を発見した妹から「苦しかったでしょう」と言われたタマの姿は猫好きなら号泣モンでは?だってそれって主人思いのなれの果てだし、それくらいペットに慕われてみたいもんだなあと思いませんか?と化け猫映画を観るたびに思うのだが。 (2000年07月15日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16