悪女かまきり |
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■公開:1983年 |
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「七色仮面」の千葉真一、「遊星王子」の梅宮辰夫(TV版は村上不二夫)、「キャプテンウルトラ」の中田博久、「ウルトラマン」の黒部進(は、元に戻っただけかもしれないが)、等などごく一部の人たち(藤岡弘&宮内洋)を除いて子供向けの特撮番組で主役だった人たちの第二のイメージチェンジしてしまう場合が多い。 台風が接近している最中に遭難したヨットに乗っていた男・南条竜也は水死、同乗していた美容師・五月みどりは無事生還、おまけに彼女は男が会社から横領した金で巨大なエメラルドの指輪を貢がせており、事件後、この指輪を売った金で美容室を経営し始める。 五月みどりは会社社長・岡田英次の愛人に納まっていた。正妻と同様の身分保障を望んだ五月みどりは岡田英次にかけた保険金の受取人になることをオネダリ。岡田は五月が連れてきた保険屋・速水亮が薦めた死亡時受取金額五千万円の保険に加入する。 速水亮は横浜で不良外人・ウィリードーシーらに絡まれていた五月と偶然知り合っておまけに一目ぼれしてしまっていた。五月と自分との関係に気づいた岡田からの電話が頻繁にかかってくるようになり、おびえる五月のために速水は岡田を殺害する。 さて、この映画は「ソフトポルノ」というジャンルですので、冒頭から五月みどりのポワンポワンした体形が波打つセックスシーンが堪能できます、好きか嫌いかは別ですけど。それと当然ですけど相手をする男優の裸体も鑑賞できます、これも好きか嫌いかは別ですが。 岡田英次、速水亮、次から次へと男を食って成長しつづける五月みどりが育ったのは、博奕好きで借金にがんじがらめにされた父親と、借金返済のために取り立てに来た恐怖のやくざ・堀田真三に犯されまくる母親が最後に無理心中してしまうという地獄のような家庭でした。 「男の犠牲になった母親の屍を超えて生きていくのよ!」幼心に決意した五月みどりの初志貫徹、蟷螂のようにオスを食い物にしてしまう人生コースはこの強烈な体験に基づくものなのです。 自分が五月みどりに踊らされていただけで、しかも五月に偽装自殺されたとは知らずに自首した速水亮を尻目にギリシアに逃避行した五月みどりは、豪華客船のオーナー、これってオナシス?ってことは五月みどりはジャクリーン?、と再び愛人関係になってしまい幸せな余生を予感させるのでした。 仮面ライダーシリーズの中で最も陰鬱なキャラクター(だけど父親は田崎潤、つまり母親似?)だった速水亮は日ごろ保険のおばちゃんを束ねる支店長だっただけに年増好みだったのでしょうか?もっと若い女に手を出しまくっていそうなのですが、五月みどりの年季の入った色気にころりとまるで純情青年のようにハマってしまいます。うーん、歯がゆいぞ! しかしなんですね、岡田英次って実績あるくせに仕事選びませんねえ、いや本当に。小柄ですけど二枚目なんですし、渋いし、ってことで何も好き好んでこーゆー映画に出るこたあないじゃん?と思うんですけどね。誰か止めなかったんですかねえ、いや、本当に。 そいで驚いちゃうのは保険金殺人というテーマが現代ではかなり生々しい感触がある、ということと、現実のほうがはるかに巧妙でしかも陰湿である、ということ。やはり映画は現実には勝てないんでしょうか?こういうテーマで勝って貰っても嬉しくもなんともありませんけどね。 (2000年05月13日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16