カポネの舎弟 やまと魂 |
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■公開:1971年 |
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田舎の地回りの家に生まれたトミ・若山富三郎は、米国でシカゴギャングのアル・カポネの下で修行をして今では立派な殺し屋になっている。相棒のサンディ・ウィリー・ドーシーを従え、さる大企業から、侠客の伊豆政・香川良介を暗殺するように依頼されたトミは廃車工場で彼を射殺した。 ふるさとのおばあちゃんとの再会を何よりも楽しみにしていたトミは、おばあちゃんが平気で河川に公害垂れ流しをする工場の操業を妨害すべく子分たちを動員しているところへ出くわすが、資本主義にどっぷりつかったトミは手を貸さない。おばあちゃんは社長・河津清三郎に雇われたやくざに殺されてしまう。 ふとしたきっかけで伊豆政の代貸・大木実の娘と知り合ったトミは川津のあくどいやりくちに「やまと魂」を爆発させ、仲間とともに敵の本社工場を空爆、悪者たちをやっつけた。 前作の「舶来仁義 カポネの舎弟」では3(バカ)兄弟でしたが、シリーズ(2作しかないものをどーしてシリーズと呼べるのかは疑問ですけど)第二作は長男のトミ・若山富三郎のみ活躍します。 十代の前半で渡米したので日本語に疎いという設定の若山富三郎は「侠客ってなんですか?」とかなんとかそれっぽく言いますが、その舌の根の乾かぬうちに「それなら東映映画見て知ってるね」とぬかします。お約束ですね。 しかし今回の若山カポネの活躍にはかなり歯がゆいものがあります。まず、みすみすおばあちゃんを死なせてしまいますし、もちろん直後に敵側の関係者は皆殺しにされますが、善玉の親分も殺してしまいます。かと思うとコールガールの真山知子に手玉に取られたり、殴りこみには米軍の偵察機を失敬してパラシュート降下したり、とダイナミックなお笑い部分もあるにはあるという、つまり中途半端にハードボイルドなんですね。 しかも驚いてはいけません、若山富三郎が戦う相手は公害なのです。若山先生は娯楽映画の神様のような方ですからこのような社会問題を論じてはイカンのです、難しすぎます。河津清三郎に工場の廃液で作ったスープを飲ませるところなんか笑っていいいのか怒っていいのかどっちにしようか迷ってしまいました。 しかしなんですなこの映画の製作当時はいかに大きな問題として「公害」が取りざたされていたのかがよくわかりますね。なんせ東映がテーマにするくらいですからね、いや、まったく。 なんか消化不良気味な作品だったような気がしてしまうのは若山富三郎に対する期待の大きさゆえと思いました。 あ、おまけですけど最初、敵方のやくざその1で射殺された川谷拓三は、終盤、カポネの手下を空港で待ち構える偽警官その1でも出てきます。ひげ生やしてやたらと目立つんですぐわかってしまいます、ご参考まで。 (2000年05月06日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16