小説吉田学校 |
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■公開:1983年 |
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ワンマン宰相、吉田茂・森繁久彌の第二次吉田内閣当時から辞職までを描く、政界ドラマ。 日米講和の裏舞台、組閣のからくり、政党のかけひき、こういうドラマは現実とシンクロしているので分かりやすいし、「その後の顛末」はすでに結果が出ているのであるから、見るほうとしては多少、筋が複雑で人物構図が膨大になってもピンと来るものである。 が、しかし、実在の人物で、しかも大半は制作当時ピンピンしていた、という状況ではあまりにもあからさまな描き方はできないだろうし、遺族だっているわけだから、キレイごとになってしまうのは、ひとつ大目に見てあげないといかん。たとえ田中角栄が西郷輝彦という物凄い配役だったとしても、だ。 はい、ではここで当時のパンフレットやキネマ旬報をお持ちでない方々のために配役をチェックして見ましょう、というかキャスティングそのものがこの映画の見どころなのだ。配役から類推できるモデルのイメージ寸評付。
ね?適役でしょ?ほかにも馬鹿野郎解散の火つけ役である西村栄一・小林稔侍、いつのまにかするするっと目立つんだよね、この人は。浅沼稲二郎・小池朝雄、殺されそう。大麻唯夫・神田隆、敵に回したくない人。 鳩山一郎・芦田伸介、三木武吉・若山富三郎、池田勇人・高橋悦史、いずれも吉田茂よりも先に、いや、森繁久彌よりも先に逝ってしまった人たちである。「七人の侍」では殺された俳優のほうが長生きしたが、これは全く逆でしかもみな森繁久彌よりも若い。映画の中でも外でも森繁久彌の気持ちが現実とシンクロしてしまったのは皮肉でちょっと寂しい。 (2000年02月04日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16