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ウルフガイ 燃えろ狼男


■公開:1975年
■制作:東映
■監督:山口和彦
■助監:
■脚本:神波史男
■原作:平井和正
■撮影:
■音楽:
■美術:
■主演:千葉真一
■寸評:千葉ちゃんの腸が見れる!


 トップ屋の犬神明・千葉真一はかつて人気のあったロックバンド「モブス」のメンバー、リッキー・安岡力也(元シャープホークス)が「虎が追ってくる」と言い残して、目前で切り刻まれたようになり死ぬ、という現場に偶然出くわす。

 この、わけのわからない死に様の原因として警察は「かまいたち」と断定。んなんアリかい?と誰でもが抱く疑いを当然のごとく抱いた千葉真一はさっそく「幻の虎」の調査を開始。

 千葉真一は人狼一族のたった一人の生き残りなのだ。彼の親族は人狼のパワーを恐れた近隣部落の人々の手により皆殺しにされた。人狼は満月の夜、不死身の体となり超人的な力を発揮する。

 ただでさえ、人間以上にめちゃくちゃ強い千葉真一が、どんだけパワーアップするのか?ここんとこ、ポイントね!

 千葉真一は、一見すると田舎代議士にしか見えないが実は次期総裁候補と目された大物政治家・近藤宏の子息とラブラブ関係になった新進歌手・奈美悦子が、所属プロダクションの社長・名和宏の差し金により、モブスのメンバーに強姦された上に梅毒まで感染させられ姿を消したという事実を掴む。息子の将来を気づかった近藤パパの愛情ゆえの処置であるが、それにしてもビョーキまでというのはいくらなんでもやりすぎだ。

 場末のストリップ小屋で覚醒剤に溺れていた奈美を発見した千葉は彼女の体から立ち上る強烈な野獣のパワーを感じた。類は類を呼ぶのたとえ通り、同じケダモノの血が流れる者だけに通じるテレパシーで、奈美が抱く深い恨みの念が生む驚異的な破壊エネルギーこそが「幻の虎」の正体だと察知する。

 と、ここまでは正統派SFっぽい展開なのだが、この後、内閣調査室のパチもんみたいな「JCIA」(ジャパン・シー・アイ・エー)という秘密警察みたいないかがわしい組織の所長・室田日出男とその部下・待田京介が登場してからは話が一気に仮面ライダー的オドロな世界へと転落する。

 その謎の国家組織はかねてよりリーサルウエポンとして千葉真一を利用することを目論んでおり、奈美を誘拐してこれを人質にして千葉に協力を迫る。なかなかウンと言わない千葉の強情っぱりに業を煮やした待田は、な、なんと千葉ちゃんの生き身にメスを入れ(当然ながら麻酔無し)腸を引っぱり出してこねくりまわすという、わけのわからない拷問を開始。

 腹が開いたまんま放置された千葉ちゃんはどーゆーわけかとてもピンピンしており、ちょうどその日が十五夜だったので、満月パワーを得た千葉ちゃんの飛び出した腸は腹圧もものかは、勝手にグニョグニョと腹に納まり、切れたお腹も元どおりになるのだった。

 ハミ出た自分の腸を見てなんかうれしそうな千葉ちゃん、変だ。

 そんな馬鹿馬鹿しくも素晴しいミラクルに観客が大笑いをしていた頃、待田京介は奈美の超能力も利用しようとさっそくその実力を計るために実験を開始。

 自信タップリの待田京介はモルモットの名和宏を手術台に縛り付け、奈美に催眠術をかけて「幻の虎」を出現させて名和をビリビリに破く。「イケる」と確信した待田京介は室田日出男の許可も得て、千葉ちゃんより一足お先に奈美を人間凶器化。現政府に逆らう人々を片っ端から暗殺する。

 脱出に成功した千葉真一は自分の血を輸血され人工的に作り出された人狼と対決するが、戦いの最中、狼の血によって敗血症を起こした相手が死んでしまい、人間との性交が不可能だと知った千葉真一は失意のうちに故郷へ旅立つ。

 そこにはすでに待田の手が回っており、かつて千葉の親兄弟を惨殺した村人の末裔が、待田に買収されて千葉を捕えようとする。その時、ゴーゴーガールみたいなミニスカを着た村の娘が千葉を助けた。彼女の母親は千葉ちゃんのお母さんと親友だったのだ。

 ついに奈美悦子と千葉ちゃんとは対決することに。奈美を殺すことを躊躇した千葉ちゃんのかわりに娘の猟銃が奈美を倒し、千葉ちゃんを殺すことを躊躇した奈美の「幻の虎」が娘を切り刻んで決着する。一度に二人の「恋人」を失いキレた千葉ちゃんは待田を殺し、娘の亡骸を抱いて一人、山奥へ姿を消したのだった。

 なんといっても本作品の見どころは、生きた人間の胸板や顔面が見るも無残に一瞬にしてズタズタにされる特撮シーンに尽きる。もちろん、千葉ちゃんの腸出しシーンなんてのもあるが、単にグロすぎて吐きそうになるだけなのでポイントは低い。

 従って巨体をくねらせ悶絶しながら肉じゅばんを破裂させる安岡力也、および、アクリル板に縛られてデブ専のSM状態にされた上に血だるまになる名和宏あたりが名シーンと呼ばれるにふさわしいと断言できよう。

 イイトシこいた大人の捨て身、感動するなあ。

 かようなグログロな映画でありながらも、敵の軍団を倒すのにイキナリ百円硬貨をビュンビュン投げる千葉ちゃん(おのれは銭形平次かい!)とか、ステーキの皿の上からニンジンやじゃがいもを蹴散らして肉だけモリモリ喰って狼っぽさをアッピールする千葉ちゃんとか、お笑い部分の観客サーヴィスもぬかりは無い。

 笑いあり、涙あり、アクションあり、スプラッターあり、特撮あり、腸あり、、見どころ満載のお笑いSF映画。

1999年07月19日

【追記】

※本文中敬称略


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file updated : 2003-05-16