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ザ・ガードマン 東京用心棒


■公開:1965年
■制作:大映
■監督:井上昭
■助監:
■脚本:長谷川公之
■原作:
■撮影:
■音楽:
■美術:
■主演:宇津井健
■寸評:なんで警備員がピストル持ってるんだよ!(愚問)


 大手貿易商社の香港支社から大切な取り引き書類を運ぶ外人社員の護衛を頼まれたガードマンの隊長、倉田・宇津井健は機内で謎のマダム・久保菜穂子に出会う。東京に到着してすぐ、外人社員のスーツケースが観光客を装った若い男・待田京介の手によってすり替えられてしまう。

 女好きの外人社員がホテルに呼んだコールガール・渚まゆみは宝石密輸団の手先だった。ガードマンのメンバー、中条静夫藤巻潤倉石功が監視する中、外人社員は誘拐されてしまう。貿易商社の輸出部長・根上淳が警察に届けたために事件の捜査は警視庁の警部・北原義郎と協力しながら行うことになった。

 密輸団の殺し屋・千波丈太郎は外人社員が日本へ持ち込んだダイヤモンドを狙っていた。どうやら外人社員はこれまでにも密輸に荷担していたのだが、分け前が微々たるものだった事に腹を立て密輸品を横領したらしい。ダイヤモンドの隠し場所を言わなかった外人社員は殺されてしまう。

 ニセのダイヤで組織と接触を試みた藤巻は正体をあっさり見抜かれた。宇津井が知りあいになった久保は待田京介と実の兄妹であることが分かる。組織のボスを捕えるために久保に接近した宇津井は千波と千波の恋人・江波杏子に襲われ誘拐される。

 組織のボスの正体は根上淳。彼は忠実な部下であった千波と江波を保身のために射殺し一人で海外へ逃亡しようとするがかけつけたガードマンと警察によって、逃走用のヘリコプターを撃墜されてあえなく逮捕されたのだった。

 子供の頃、私はテレビの「ザ・ガードマン」があまり好きではありませんでした。特に中条静夫が大の苦手で、なんであんな野暮ったいおっさんが活躍するんだろう?と幼心にとても不満でした。好きだったのは藤巻潤と倉石功と川津裕介で、特に藤巻潤がいつもライターをカチャカチャやっているのがなんとなく「大人の男」っぽくて素敵!などとと思っておりました、マセたガキだったんですねえ、私ったら。

 大人になった今、しみじみと本作品を見ていると中条さんがとても誠実な人に見えて好感すら抱くようになっているから不思議です。そのかわり倉石功がどうしようもないウドの大木としか思えず、見ているだけでイライラします。大人になると人の好みも変わるのですねえ。

 さて宇津井健ですが、この人ってあまりものを考えないタイプの役どころ以外に見たことないんですが、本作品でもそのコンセプトは明確に体現されてましたね。特に久保菜穂子といちゃいちゃするところなんか、職業柄少しは人を疑えよ!と注意してあげたくなってしまいます。

 おまけに、この人、民間人のくせにヘリ目がけて拳銃をぶっ放すんです。あんな口径の小さい、かつ、ハンドガンごときで墜落するヘリもヘリですが、良いんでしょうかね民間人なのに。

 テレビ版のほうが、襲われた女が狂ったり、大量殺人とかがあってかなり過激だったような印象があるんですけど、この劇場版はヘリコプターやらカーアクションとか一応あるんですが、妙におとなしくてイマイチ、という感じでしたね。

 ところで、なんで川津裕介さん出てこないんでしょうか?不思議。

1999年04月25日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-16