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宇宙からのメッセージ


■公開:1978年
■制作:東映
■監督:深作欣二
■助監:
■脚本:松田寛夫
■原作:
■撮影:
■美術:
■音楽:
■主演:成田三樹夫
■備考:J.A.C.宇宙でトンボを切る。


 アンドロメダ星雲にある惑星は悪い宇宙人・ガバナス人たちに占領されてしまった。原住民の長老・織本順吉は伝説の勇者を呼び寄せる8個のクルミの実を宇宙に放ち、若き王妃・志穂美悦子と武将・佐藤允にその後を追わせるべく密かに惑星脱出を計る。

 宇宙旅行を楽しんでいた金持ちの娘・ペギー・リー・ブレナンは、宇宙おまわり・小林稔侍をコケにして遊んでいた宇宙暴走族に出会う。族の二人、背の高いほう・フィリップ・カズノフと背の低いほう・真田広之は揃いも揃って貧乏で、宇宙やくざから借金の返済を迫られていた。借金の取り立て屋・岡部正純もまた宇宙やくざの親分にヤキを入れられるような情けない奴。

 地球から他の惑星に派遣されていた将軍・ビック・モローは召使ロボットの葬式用にロケット一台を気前良くぶっ飛ばしてやるくらいの心優しい人物。官費の無駄遣いを叱責する上官・ジェリー伊藤の声にも耳をかさず、軍隊生活に飽きた彼は、二代目の召使ロボット・曽我町子(声)を連れて旅に出る。

 志穂美と佐藤は太陽系の惑星に不時着していた。4個のクルミがフィリップ、真田、岡部(え?)、それにビック・モローの手に渡った事を確認した志穂美は彼等に助力を求めるが、承知してもらえなかった。それどころか、金欲しさのあまり、岡部は志穂美を騙して、爬虫類の様な息子の嫁探しをしていた地球人の老婆・三谷昇に売り飛ばしてしまった。

 志穂美がガバナス人に誘拐された事を知ったペギーは単身、救助に乗り出そうと自分の宇宙船に乗り込んだところそこでクルミを発見。根は善人の岡部、真田、フィリップたちも改心し、志穂美救出に出発する。

 惑星はガバナス皇帝、ロクセイヤ・成田三樹夫と、その母・天本英世(母、ですぞ)が支配していた。成田親子は一見すると育ちの良いお公家さんのようだが、実は先代皇帝を殺害しその息子である王子・千葉真一を追放して帝位についた、成り上がり親子なのだった。

 ついでに誘拐した三谷ババアの記憶から地球征服を思いついた成田三樹夫は、すでに要塞と化した惑星の進路を地球に向けた。地球連邦の議長・丹波哲郎はガバナス人の説得をビック・モローに依頼する。

 クルミを持っていた千葉とその従者に合流した志穂美たちがガバナス要塞の本丸に攻め込んできた。ガバナスの圧倒的な強さの前に一度は裏切り者になった佐藤も最後に寝返って体を張って志穂美を守り、死んだ。最後のクルミの持ち主は佐藤だった。実戦経験豊富なビック・モローの陣頭指揮により、ガバナス勢は総崩れとなる。

 動力源を破壊された惑星は大爆発を起こす。生き残った惑星人たちは新たな母星を求めて宇宙の彼方に旅立って行った。

 天本英世はかつて「大盗賊」「奇厳城の冒険」で妖術使いのオババ役をこなしてましたけど、今回は三谷昇も参加していて、なかなかハマってました。人間は歳寄ると性別不詳になるんですねえ。って、そんなところは別に見所でもなんでもないんですけどね。

 「スター・ウォーズ」と比べてダッサ〜いと言う人はそれこそ掃いて捨てるほどいるでしょう。比較すらする気にならない人もたくさんいることも知ってます。しかし、ですね、技術論だけで映画にカタをつけちゃあイカンですよ。ハリウッドがバカ高コストの特撮をウリにするなら、ここ日本には色悪の最高峰、成田三樹夫がいるじゃあないですか!クヨクヨするこたあないですよ。(フォローになってませんけど)

 モノで負けても、ココロで勝て!。太平洋戦争仕込みの大和魂を見よ!ってところですね(フォローになってませんけど)。

 王子様って普通、紅顔の美少年なのでは?と思ったそこのアナタは正解です。あそこまで分別盛りの王子様(千葉真一)というのは確かに問題あるかもしれませんが、相手が銀粉塗りたくってほとんど原形をとどめていない成田三樹夫ですから、真田さんじゃあちょっと力不足です。それに電動車椅子に乗った天本さんもいることだし。

 ちゃんばらシーンの派手さは良かったですね、西洋ちゃんばらもどきのノロノロしたのよかよっぽどスピードがありました、さすがJAC。宇宙人でも斬られた後にちゃんとトンボ切るんですねえ。それと、大気圏外すれすれからパラシュート降下したり、防塵マスク一丁で宇宙遊泳したり、とユニークな宇宙理論が展開するのもグーです。映画と言うのは色々と勉強になるもんです。試験には全然役に立ちませんが。

 ここだけの話ですがね、「ジェダイの復讐」に出てきた「暗黒皇帝」ね、あれは絶対に本作品の天本英世さんのパクリだと私は思うんですね。SF映画なんてしょせんはパクりパクられなんだということですね、うん、うん(フォローになってませんけど)。

1999年02月24日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-16