オートバイ少女 |
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■公開:1994年 |
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17歳になった少女・石堂夏央は生き別れになった父親・あがた森魚を探しに年代もののバイクで北海道へ一人旅をする。手がかりはかつて絵本作家だった父親の著作本。少女は父親の姿をあれこれ想像しながら旅を続ける。 北海道の映画館で映写技師をしているらしい父親をやっと見つけたと思ったらタッチの差で行き違いに。送ってくれた軽トラの親父から、父親にはすでに別の家族がいてしかも体が不自由な義理の妹がいる事実を知ってしまった少女は、なんだかとてもイヤな気持ちになり、父に会いたくなくなってしまう。 父の住む家をこっそりと覗きに行った少女は車椅子に乗った「妹」と出会う。逃げるようにその場を後にした少女。やっと出会った父親と少女はお互いにわだかまりを持ったまま打ち解ける事はなかった。 父親は今の家族に紹介するから、と少女に言うが、その時、妹の病状が悪化したという知らせを受けてあわてて走り去る父を見て少女はある決心をする。翌日、父と再会した少女は、名残惜しそうな父親にちょっとおどけて見せてから、別れを告げた。少女は途中で知り合った孤独な女からもらったワンピースを着て、バイクに乗って北海道を去って行くのであった。 バイク、少女、革つなぎ、、マリアンヌ・フェイスフル、ボイン、ドキドキ、、という順番でアレコレ連想した大人はちょっと落ち着きを取り戻しなさい。 「そうそう、あの暗い漫画雑誌」「なんだっけ、カタカナ二文字のやつ」と劇中の人物にコケにされる「ガロ」の制作であるから、およそ女らしい女や男らしい男というものは登場しにくいと見てイイ。で、主人公の石堂夏央なんかまことに男らしい女の子なんである。 娘の初恋の相手は概ね父親である。少女の落胆は自分以外の女に心を奪われた女の嫉妬である。実の母親ならいざしらず、どこの馬の骨とも分からぬ女に恋人を寝取られた恨みである。しかも今まで想像の産物でしかなかった初恋の相手がうすら淋しい中年男(あがた森魚、適役である)であったという現実との落差。 こりゃガッカリだよなあ、と同情しきりである。 だが、しかし、大人の男というのはかように一人の女性に対して従順ではなく、人の親となっても逃げたりなんかする無責任なところもあるのだが、心の中ではいつまでも娘を愛し続けているのであるから、こういう現実をガッカリしないで人生の糧とせよ、と、なんとまあ男の都合最優先的オチなのだが、これらが女々しくならないのはひとえに石堂夏央の男っぷりの良さである。 男らしくあっても、決してオヤジ臭くない、しかも美少女ってのがイイのだ。 人の情を心底では恋しいと思いながらもソレを欲しいとダダこねず、逃げず、媚びず、顔で笑って心で泣く。平成の「健さん」を石堂夏央に見た!というのはまんざら大げさでもないのでは? すれ違う人々の人間模様が幻想的で、ちょっと甘口だが切ない情緒性に溢れているロードムービー。永瀬正敏がバイカー宿の付近にゲスト出演している。 (1999年02月16日) 【追記】 2003/02/24:本文が別の感想文になってました!(ご指摘感謝です>巴様) |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16