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すけばん刑事・ダーティーマリー


■公開:1974年
■制作:日活
■監督:長谷部安春
■助監:
■脚本:長谷部安春
■原作:
■撮影:
■美術:
■音楽:
■主演:梢ひとみ
■備考:ヨーヨーは出てこないの?


 女刑事、マリー・梢ひとみは男まさりの捜査でたびたび始末書を書かされる問題児。兄貴格でマリーに片思いの相棒刑事・河原崎次郎は女房に逃げられた男やもめ。  浮気現場の盗撮写真をバラまくという脅迫状を受け取った女性デザイナーのところへ撮影した男・浜口竜哉が訪ねてくる。浜口はネガと引き替えに関係を迫ったが、彼女が抵抗したためうっかり殺してしまう。

 真っ昼間から庭でセックスしている男女の写真が警視庁に届けられた。マリーと河原崎が盗撮された夫婦・宮下順子坂本長利のところへ向かうと、すでに撮影した本人が金を強請りに来た後だった。この夫婦が盗撮写真を芸術的だと褒めちぎったので、あきれた犯人が警察に「こういう変態夫婦を取り締まれ」と送ったのであった。

 聞き込みの帰り道、犯人らしい男を発見したマリーは単身、追跡を開始。浜口を学校の体育倉庫に追い詰めたが、殴られて気絶させられて犯された上に、犯人とツーショットの記念写真まで撮られてしまう。顔にボカシが入ったこの写真が警視庁へ送られてきたが、マリーの上司は事実を隠蔽しマリーに辞職を迫った。

 ポン引きをしていた件の二人のちんぴらが、浜口が持っていた腕時計を質入れしようとしたのを見たマリーと河原崎は、浜口が清掃員として勤務している大学病院を突き止めた。証拠のネガと暗室を発見したマリーだったが、すでに懲戒免職を言い渡されているマリーには犯人を逮捕することができない。

 懲りずに別の女性から金を取ろうとした浜口の後を追うマリーの目前で、彼はまこれみよがしに女を襲った。逆ギレした看護婦から強奪した拳銃を武器に刃向かってきた浜口とマリーはトンネル工事現場で銃撃戦を展開。犯人を射殺し復讐を完了したマリーは警察手帳にダイナマイトをくくり付けて爆破した。

 梢ひとみという女優さん、プロポーション抜群ですね。一緒にいる河原崎さんが日本人の典型的なスタイルでジーパン履いちゃって足の短さを強調しているもんですから、余計に際立つのかもしれません。この時代より一昔前の「昭和のグラマー」というのとは一線を画してまして、下っ腹が出てない、ふくらはぎが「子持ちシシャモ」ではない、顔が小さい、というような近代的「イイ体」の条件をかなり必要十分に満たしていると思います。

 日活ロマンポルノの路線ですから、和田慎二原作の少女漫画原作の「スケバン刑事」とゴッチャにしてはいけません。主人公が無愛想、大根役者、というのは同等ですがそれ以外はセーラー服とか着てませんし、奇想天外な武器(たとえばヨーヨー)は登場しません。

 東映の「女番長(スケバン)シリーズ」人気に便乗した企画なんでしょう。ちょっと無理やりっぽいのはご愛敬ですね。ロマンポルノにハードボイルドをミックス、ということで女優さんはとても魅力的でしたけれど、残念ながら男優が揃いも揃ってヘナチョコなので私としてはかなりトホホな映画でした。

1999年03月03日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-16