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マックス モン アムール


■公開:1986年

■制作:フランス映画

■製作:

■監督:大島渚

■助監:

■脚本:

■撮影:

■音楽:

■美術:

■主演:シャーロット・ランプリング

■寸評:ロディ・マクドゥオールは出てません、念のため。


 フランスに駐在している英国大使の妻・シャーロット・ランプリングは、友人の家に出かけるという口実で浮気をしているらしい。自分だって秘書とアツアツのくせに、私立探偵まで雇って女房の浮気相手を突き止めた亭主の目の前に現われたのはなんとオスのチンパンジーのマックスであった。

 浮気現場に踏み込まれた女房は少しも慌てず、なんとそのチンパンジーを自宅に同居させることにした。もちろん亭主としてはムカつくはずだが、女房とサルのエッチが見たいという好奇心のほうが勝ったのであった。しかしいくらなんでも自分の女房と他のオスとの本番を見るのは嫌だと思ったのか、亭主は街娼を自宅に招きマックスを誘惑させるが失敗する。

 息子はおとなしいマックスとすぐに仲良しになるが、亭主はこれが面白くない。ホームパーティーの席上、女房に恥をかかせようと思った亭主は客たちにマックスを御披露目する。客は一斉に引いたが、興奮したマックスが女房といちゃいちゃし始めてしまい、またまた亭主はオカンムリ。

 マックスが脱走したのをきっかけに「隣近所に迷惑だから」と銃を持ち出した亭主だったが、反対に銃を奪われて乱射されてしまう。とうとう息子と女房とマックスは檻の中で暮らし始めてしまい、文字どおり亭主一人が蚊帳の外。

 ある日、母親が病気になったので女房が一時的に故郷へ帰ることになった。一人残されたマックスは食も喉を通らぬほど意気消沈。反目し続けた亭主だったがここまでくるとさすがに情が移ったらしく、マックスと息子を連れて女房がいる田舎の病院へと駆けつけた。大自然の真っただ中で野性が戻ったのかマックスは突然、姿を隠してしまう。狩猟の季節、警察に保護を求めたが「人間でさえ探し出せないのにサルなんて無理っすよ、ムッシュー」と慇懃に断わられてしまうのだった。

 あきらめてパリへ戻ろうとした一家の4WDの屋根の上にはこともあろうにマックスが!パリ市内で通りがかりの人々に拍手と歓声で迎えられるマックス。女房、歓喜のあまり屋根の上のマックスと抱擁しながら、大胆なハコ乗りを披露して大ウケ。自宅に戻った亭主はなんとなくうまく行ったね!と喜んだが、浮気の虫が治まった亭主に惚れ直したのか、女房いわく、「やっぱり近所迷惑だからあのエテ公、そのうち殺すかもね」なんてオッカナイ台詞を吐くのだった。

 いやあブッたまげましたねえ。なんでこんな仕事したんでしょうかねえ、シャーロット・ランプリング。すっかりオバサンでしたけど奇麗でしたねえ。いくらカブリものだと言っても相手はおサルさんですよ、抱擁したりキスしたり、つまりは獣姦ってやつでしょ?これ。

 精神的な根源は「オシラ様伝説」なのかな。疎外された人間が心の寂しさを埋めるために、あるいは疎外した人々への復讐のために異常なセックスに走るという心理は古典的。しかし、だねえ、おサルさんってのはいかがなものか?人間に近すぎてちょっと生臭すぎやしないだろうか。犬や馬ならまだ許されると思うが(そうだろうか?)。

 西洋の女を本気で怒らせるとトンデモナイことをしでかすものだなあ、と、余計なところで深く納得。

1998年07月19日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-16