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徳川セックス禁止令 色情大名


■公開:1972年

■制作:東映

■監督:鈴木則文

■助監:

■脚本:

■原作:

■撮影:

■音楽:

■美術:

■主演:サンドラ・ジュリアン

■寸評:東映ピンク時代劇の金字塔。


 「大人の俳優」とは名和宏のような俳優を指すのだと思う。「若いお巡りさん」で見せた、ちょっと平均より大柄な体躯で学歴がないことを子供に馬鹿にされても何も言い返せないシャイな青年役から、本作品のようなドエロな将軍役までサマになってしまう、守備範囲と度量の広さを高く評価してこなかったところが日本の映画評論のツマンなさである。

 艶福家の将軍様は本妻と妾を併せてその数27人。家臣たちはこの結果、生まれた姫君の嫁ぎ先を決めるのに悪戦苦闘の毎日だった。つい最近、年ごろを迎えた姫・杉本美樹にあてがわれたのは、三十過ぎて独身の田舎大名・名和宏。彼は質実剛健の織田信長ファンで女嫌い、当然ながら童貞なのだった。そこへ嫁入りする杉本も生娘。つまり新婚初夜は「童貞と処女のセックス」ということになる。そこで名和の家老・殿山泰司と杉本の乳母・三原葉子はさっそく二人に大人の性教育を施す。

 このような家臣たちの努力も空しく、初夜の合体は名和の乱暴な求愛のおかげでほとんど強姦状態だったため、杉本はヘソを曲げ寝床に名和を近づけない。徳川の姫君のご機嫌を損ねては大変だと焦った殿山は、地元の豪商・渡辺文雄にフランス人宣教師の娘・サンドラ・ジュリアンを殿様に献上してもらい、セックスの相手をさせる。ジュリアンのテクニックにメロメロになった名和はセックスに興味津々となり「下賎の者どもの性生活を視察したい」と言い出す。

 町人たちの自由な性を目のあたりにした名和は、高飛車な杉本へのあてつけと、三十過ぎるまで童貞だった悔しさから領民に「セックス禁止令」を発令する。違反者の取締は苛烈を極めたが、城中でも公務の最中に鼻血を噴き出す者が続出し、農村部では「やらせろ!一揆」まで勃発。悩んだ杉本はサンドラから「愛があればどんなセックスでもできる」と教えられ、その言葉に深く感動しついでにレズビアンまで体験。素直な性格の杉本は三原の応援を得て、名和を喜ばすためのテクニック習得のために猛特訓に励むのであった。

 名和の忠実な小姓・成瀬正孝は意固地な殿様の目を覚ますべく名和の目前でサンドラを抱き「何人も人を愛することを束縛できない」と言上して切腹。サンドラも定法により浜辺で潮漬にされて処刑された。名和は尊い犠牲を払ってついに目覚め「愛は自由!」と宣言し定法を撤回。城下の領民がこぞってセックスをしている最中、久々に杉本を抱いた名和はあまりの刺激の強さに腹上死してしまう。

 翌年、この藩の人口は一気に倍になった。その後、藩全体の生産力が飛躍的に向上したため名和の家は末永く安泰であったとさ、めでたし、めでたし。

 女嫌いの大名という役どころに、名和宏というのは実に説得力のないキャスティングである。さらに輪をかけてどうやったら処女に見えるのか?三原葉子。劇中、三原の処女を奪うのは殿山の息子で、生来の女狂いを名和に叱責されて脱藩した浪人・山城新伍。二人のセックスシーンはほとんど夫婦エロ漫才の風情であった。

 圧巻はサンドラをなぶり者にする渡辺文雄。性格の悪いインテリ(の役どころ)である彼の言葉責めは流暢なフランス語であったので、さすがは東大出だなあと感心しきり。「愛(っつうかセックス)を束縛することはできない、たとえ神であっても」というエンディングのメッセージは笑いと取るためなのかそれとも真面目なのか。ともかくもラストの1カットまで観客サービスの精神がヒシヒシと感じられる映画との出会いは嬉しいものだ。

 デタラメとポルノと説教が突き抜けるほどギッシリつまった超極楽映画。ちなみにコレ、成人映画であるからよい子は大人になるまで我慢しなさいね。

1998年06月16日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-16