水戸黄門とあばれ姫 |
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■公開:1959年 ■制作:新東宝 ■監督:毛利正樹 ■助監: ■脚本: ■原作: ■撮影: ■音楽: ■美術: ■主演:小畑絹子 ■寸評:新東宝の水戸黄門。 |
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徳川綱吉は世継ぎの男子になかなか恵まれなかった。綱吉が戌年生まれであったため、さる大名が紹介した雲水から「犬を大切にすれば男子が生まれる」というお告げをあっさりと信用してしまった綱吉の母、桂昌院は「生類憐れみの令」を発布し犬を手厚く保護するように命じた。犬を虐待する者を取り締まるために犬奉行なる役職も誕生し、件の大名がその要職に就任した。心ある大名の中には人間の命よりも犬畜生を大切にするなどナンセンス!と将軍を諌める者もあったが、犬奉行が巧みに将軍に入れ知恵したため謹慎を命じられてしまうのだった。 その頃、江戸では手裏剣投げの女大道芸人が人気を博していた。彼女は犬奉行の実弟との真剣勝負に勝ってしまったため、役人にいやがらせを受けるようになった。そこへ通りかかった旅姿の老人は実は水戸黄門・坂東好太郎で、彼もまた綱吉に意見をしていた一人であった。黄門様は家臣に命じて犬奉行の屋敷を調べさせていた。大道芸人の正体は謹慎させられた大名家の姫・小畑絹子だった。彼女もまた、犬奉行と雲水が結託して法令を悪用しているに違いないと思って密かに探索していたのだった。 犬奉行は商家の娘に目をつけて大奥の方・三原葉子と謀って娘を幕府の重役に献上し、立身出世を狙っているらしい。浪人が犬の死体を商家の店先に放置したため犬殺しの濡れ衣を着せられた主人が泣く泣く娘を差し出した。この陰謀を知った水戸黄門は将軍に意見書を提出し、法令の撤回を求めた。犬奉行は水戸黄門を能にかこつけて屋敷に招待しどさくさ紛れに暗殺しようとする。舞台に呼ばれた能楽者は小畑の変装だった。間一髪、彼女の手裏剣が暗殺を防ぎ、犬奉行とその一味は全員、取り押さえられた。 せっかく新東宝を代表するグラマー女優の小畑絹子と三原葉子が出ているが二人とも脱がないので、そういう事を期待していた観客がいたらさぞや拍子抜けだったことだろう。余計なお世話? 前作の中川信夫監督、古川録波主演の「水戸黄門漫遊記・天下の副将軍」(1958)と比較すると城のセットは描き割そのまんまだし、エキストラの数も半減以下、登場するお犬様も土佐犬や秋田犬など大型犬はさっぱりで小型犬のみ、などなどの低予算ゆえの見場のトホホさばかりが目に付いて気の毒なことこの上ない。 時代劇というのは金のかかるものであるから、予算額が映画のデキにまともに跳ね返る。化け猫だの幽霊だの出しておけばセットのショボさなんて適当に誤魔化せるんだけど、こういう正統派時代劇だとツライわなあ。 金をかけりゃあいいってもんじゃないが、限度っつうものがあるのだ。そういう現場以前の作り手のデリカシーのなさが見ているほうとしては情けなくもあり、また一方ではマニアック風味をそそる要因でもある。客というのはかくも身勝手な生き物なのよね。 これと言って見せ場もなにもない映画であるが、ただ一つの見所は小畑絹子の美人顔であろう。もちろん、戦前からの大スタア、坂東好太郎ってのもいるにはいるが(なんて失礼な、、)、タイトルロールでありながらもかなり影の薄い存在であったので、ま、どうでもいいかな、って感じ。 (1998年06月23日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16