風の又三郎 |
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■公開:1940年 |
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北海道から父親の仕事の都合で東北の田舎の小学校へ転校してきた少年・片山明彦は洋服に学童帽を被っている。地元の子供達は着物が普通なのでとにかく彼は奇異の目で見られる。子供達が新参者を警戒するのは好奇心なのである。片山少年が天候してきた日が二百十日であったので彼は「風の又三郎」というあだ名が付く。 小ざっぱりとした身なりの片山少年は当然ながら女子生徒には好感をもたれるが、腕力を頼みとしているワイルド系の地元っ子にとってはちょっぴり癪のタネ。ある日、ガキ大将が相撲を挑む。少年は見事に投げ飛ばされてしまう。調子に乗ったガキ大将が「くやしかったら風を呼んでみろ」とからかったその直後、本当に大風が吹き、村に台風が来襲する。 二百十日というのは立春から数えた日数のことで、ちょうど台風のシーズンに当たるため、農家ではこの日を「厄日」としている。台風が過ぎ去った日の朝、登校してきた子供達は片山少年が転校したことを知らされる。子供達は片山少年が本物の「風の又三郎」だったのだと確信する。 メルヘンはモノクロが良い。見ているほうも思いっきり子供の気持ちになって、あれこれ想像しながら見るのが良い。まず片山少年の美しさに感動する。今、そのへんを歩いていても、即、スカウトされそうな美少年ぶりである。ファンタジーにはキレイな主役を!そうしないと「美しい夢」が見られないでしょう?ブサイク出したら、「悪夢」にうなされるだけだ。 田舎の子供達のなかに大泉滉がいる。これもまた南欧系のハーフっぽくて美しくて、愛くるしいかぎりだ。大泉滉の現在しか知らない人でも比較的容易に発見できて、リアルタイムの姿との落差に腰を抜かすかも。 一人の転校生をきっかけにあれこれ想像して、子供達だけのストーリーを紡ぎ出す楽しさは、見ていてワクワクするほど羨ましくて懐かしい。木造校舎の窓から、校庭を眺め、旗竿の上の空へつながるラストのカットは、子供なら誰でも一度は抱くメランコリイの象徴。「どーどどどど、、」というテーマソングを歌う子供達を見ていると、熱いものがこみあげてくる。 子供は元気でなくっちゃね! (1998年01月31日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16